本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。
業績の良い会社は教育機会をうまく活用、企業価値向上に効率よく結びつけている。教育機関としての一面もあるJAGATに在籍していて気づくこと。
■誰を選ぶか
教育の必要性ある人材に受講させることが必要なのは当り前だ。しかし、予算や時間の制約で必要性ある人材すべてに受講させられない場合も多い。この場合、報告がうまく、情報共有の意識の高い人材を見極めることが大切になる。このような人材は、受講した情報をノウハウに置き換えて会社の財産にしてくれる。誰に受講させるか? これは、どの機械を買うか?、と同じくらいの重みを持つ判断である。
■何人で行くか
複数人で受講すると効果が高まる。1人で受講した場合、恐れるべきことは、受講内容が1人の頭の中に入るだけで終わってしまうこと。複数人で受講させ、
それぞれに受講内容を報告させ、共通点と相違点を確かめると受講効果が高まる。特に相違点についての議論は価値観を確認する好機となる。受講内容を社内に拡散させて会社全体に良い影響を及ぼすスピードは、受講者の多さに比例する。単に個人のノウハウにならないよう、できるだけ多い人数で同時に受講させて組織のノウハウにすると受講効果が高まる。
■どこに座るか
一番前に座ると講師の声がよく聞こえるし、スクリーンも見やすい。一方、一番後ろに座ると、他の受講者が視界に入るので、他者の反応を見ながら受講することができ、同業他社とのレベル合わせができる。前も後ろも一長一短あり、どちらが良いとも言えない。長時間の受講なら、講師とスクリーンが同時に視野に入る席を選ぶと首など体が疲れにくくなる。座る位置も目的に応じて意識して決めたい。
■受講前に明確にしておくこと
受講効果を最大化するためにすべきことがある。受講前に、なぜあなたを選んだか、なぜそのセミナーを選んだか、受講の意義、受講後の報告方法、受講を通して
どのように成長してほしいか、を伝えることだ。「選ばれたあなたが受講する」と伝えることで受講者の気持ちを高めることができる。セミナーの選定理由を話せば、会社の求めていることを伝えることができる。会社の貴重な時間とお金を受講者に投資する意義も伝えよう。投資額を大きく上回るリターンがなければ投資とは言えない。
■せっかくの受講の効果を最大化するために
受講後の報告方法は必ず伝えておかなければならない。受講者が具体的なアウトプットをイメージしながら受講できる。受講を好機として、受講者に受講前と受講後でどのように変わってほしいかも、伝えておきたい。このようなミッションを明確にしておくことで、セミナー受講の費用対効果を最大化できる。設備は成長できないが、人材は成長でき、人材の成長は会社の成長となる。教育とは設備で差別化しにくい時代の有効な投資である。