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主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2008年12月の景況報告。
12月の書籍雑誌推定販売金額前年比は1.2%減であった。書籍は3.1%増となり10月以降3カ月連続で前年を上回った。10月の『ミシュランガイド東京2009』などの大型企画、金融関連本に続いて、大河ドラマで映像化された書籍あるいは文芸本、ノンフィクション系で売れ筋のタイトルが出たからである。雑誌は、月刊誌が3.6%減、週刊誌が4.1%減と相変わらず4%前後のマイナスが続いているが、販売部数はそれぞれ7.2%減、8.0%減と販売金額に比べ大幅なマイナスになっている。
12月の広告業売り上げ前年比は12.8%減で11月の14.7%減に続いて大幅な前年割れになった。バブル崩壊後の単月での最大マイナス(12%減)を2カ月連続で超えた。マスコミ4媒体では、11月は小幅なマイナスだったテレビが9.9%減と大幅に落ち込み、新聞(18.3%減)、雑誌(20.7%減)は約2割落ち込んだ。SP広告も、交通広告は8.1%減と1桁のマイナス成長で収まったが、折込・ダイレクトメールは11.3%減、SP・PR・催事企画が27.0%減、屋外広告は16.0%減と2桁の落ち込みになった。
12月の一般インキ出荷販売量前年比は9.7%減、11月の14.7%減に続いて大幅な前年割れになった。12月は各インキとも9%台の減少になっている。世界的大不況の影響は11月から本格的に現れ始めた。中小一般印刷業に関連が深い平版インキは、8月に12.4%減を記録してから9月(3.2%減)、10月(3.1%減)に続いて11月は14.7%減、12月は9.2%減になっている。過去最大のマイナスはITバブル崩壊後の2002年6月の7.2%減であった。今回の状況はかなり深刻なものである。
12月の印刷・情報用紙出荷販売量前年比は23.4%減と、11月の18.4%減を上回る大幅な前年割れになった。大不況の影響らしきものは2008年8月から始まり10月以降に本格化して3カ月連続の2桁のマイナス成長に入った。12月は塗工紙が31.4%減で11月に続いて驚くべき数字になった。コート紙、軽量コート紙ともに30%以上の前年割れである。微塗工紙も一気に12.4%減となり、非塗工紙は19.8%減であった。比較的マイナス幅が小さいのは白板紙で10月以降マイナス6%を超えていない。
(「JAGAT info 2009年4月号」より)