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■2008年印刷関連市場、資材統計から見る景況
月 | 概要 |
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1月 | 1月の書籍雑誌推定販売金額前年比は4.2%減の大幅減。書籍(3.2%減)、雑誌(5.0%減)ともに2カ月連続の前年割れ。広告業の売上前年比は3.4%減。 |
2月 | 2 月の書籍雑誌推定販売金額前年比は0.0%の前年比横ばい。うるう年効果と見られる。書籍(0.6%増)、雑誌(△0.5%)はともに前年並み。広告業の売上前年比は前月より一転5.3%増。 |
3月 | 3月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△6.4%の大幅な前年割れ。書籍(△6.1%)、雑誌(△1.6%)も大幅減。広告業の売上前年比は1.1 %減。 |
4月 | 4月の書籍雑誌推定販売金額前年比は2.3%減で小幅な減少。書籍(△1.5%)、雑誌(△2.9%)共に減。広告業売上前年比は3.4%減。 |
5月 | 5月の書籍雑誌推定販売金額前年比は3.3%減で3ヶ月連続の前年割れ。特に書籍(△3.0%)が金額、部数共に不振。雑誌は△3.5%。広告業売上前年比は2.7%減で4ヶ月連続前年割れ。 |
6月 | 6月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△6.8%、4ヶ月連続の前年割れ。6月は書籍が△8.2%、雑誌は△5.9%で書籍の大幅なマイナスが目立つ。広告業売り上げ前年比は△2.7%で、4ヶ月連続の前年割れ。 |
7月 | 7月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△0.4%、連続前年割れだがマイナス幅は小幅に。雑誌は△3.7%、書籍が4.9%増と全体を押し上げ。広告業売り上げ前年比は△6.8%、連続前年割れかつ最大のマイナス幅。 |
8月 | 8月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△7.8%、書籍は△6.8%、雑誌が△8.4%、大幅減に見えるが稼働日の問題で実勢はこれほどではないという。広告業売り上げ前年比は△5.0%、6ヶ月連続の前年割れ。 |
9月・ 10月 |
9月、10月の書籍雑誌推定販売金額前年比はそれぞれ2.9%減、0.5%減。書籍は、9月は1.7%減だったが10月は3.9%増。雑誌は9月が4.0%減、10月が3.8%減と依然不振。広告業売り上げ前年比は、9月が9.8%減、10月が8.2%減。 |
11月 | 11月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△2.7%。書籍は1.1%増、雑誌は△5.2%。広告業売り上げ前年比は△14.7%、大幅な前年割れ。 |
12月 | 12月の書籍雑誌推定販売金額前年比は1.2%減。書籍は3.1%増、雑誌は月刊誌が3.6%減、週刊誌が4.1%減。 |
■2008年各地の声
月 | 概要 |
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1月 | 用紙とインキを巡る偽装問題と仕入価格の上昇。価格転嫁どころか偽装問題の収拾に追われることに。顧客の「安全」要求重視度が高まっている。 |
2月 | 2月はうるう年効果が名目上の売上高増へ寄与したが、印刷会社経営者の声は厳しいものが多い。企業や官公庁の発注削減、改正建築基準法の施行による不動産業界低迷の影響など。各社各庁の新年度予算もかなり引き締められているのではないか。 |
3月 | 昨年の3月は統一地方選に伴う需要があったにしても、今年の印刷会社の状況はよくない。そこへ用紙代の値上げ、偽装問題対応などが重なって、なかなかいつもどおりの印刷会社経営に専念できない。 |
4月 | 値上がりは資材料だけにとどまらない。何が上がるのか、どれくらい上がるのか、いつまで上がり続けるのか、影響はどの程度を経営見通しに織り込むべきか。印刷会社経営の不透明感が強まっている。 |
5月 | いよいよ原油価格高騰が実体経済へ影響を及ぼし始めた。生活必需品の価格高騰、自動車販売の低迷、漁業の不採算化などが報じられている。印刷業界の受注件数も4月まで5ヵ月連続の前年割れと苦戦が続く。 |
6月 | 用 紙価格の値上がりは印刷会社の利益を圧迫するのはもちろんだが、受注競争に伴う価格低下、顧客への価格転嫁の難航、見積もり引き合いの減少すら訴える声も 上がり始めた。ガソリン代などの営業に伴うコストも上昇しており、コスト高、受注減、転嫁難といった三重苦の様相を呈している。 |
7月 | 目に見えて受注が減ってきたと訴える印刷会社が増えている。企業の大型倒産も増えており、該当する地域経済圏では一層の景気の冷え込みも予想される。一方では落ち込むばかりだった受注価格の上昇も一部で観測され始めたが…。 |
8月 | 工場の稼動が目に見えて落ちてきた、残業が激減したとの指摘が時折り聞かれる。印刷会社の景況が急激に収縮していく状況はITバブルの破綻時(2000年)やライブドアショックによる新興バブルの破綻時(2006年)に似ているように見えるが…。 |
9月 | 金融危機が及ぼす実体経済への影響に、印刷会社も無縁でいられない。あまりに急激な景気減速と用紙代値上げは印刷製品発注の抑制意識を高めてしまった。印刷会社がコスト上昇に対応する時間もないままに。 |
10月 | 年初から再生紙偽装問題への対応に追われ、用紙代値上げへの対応に追われ、苦慮しているところに金融危機が直撃。原油価格は戻ったが、需要と用紙価格は元に戻らない。 |
11月 | 年末年始の受注獲得に向けた動きが活発化する11月のはずだが低調に推移した。印刷会社の経営者たちは景気後退の影響を見極めようとしている。 |
12月・1月 | 原油価格はピークの1/3以下に下落、為替は円高に振れたが、用紙価格は高止まりのまま。雑誌の休刊発表が相次ぎ、年度末需要も減少が見込まれる。需要刺激策が必要なのだが。 |