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主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2009年2月の景況報告。
2月の書籍雑誌推定販売金額前年比は4.7%減で、2008年3月以降12カ月連続の前年割れになった。書籍は12月までの3カ月のプラスが反転、1月、2月ともに前年割れになった。稼動日が少なかったこともあるが、けん引役が乏しかったことが大きな原因だという。雑誌は、販売金額は4.1%減だったが販売部数は7.8%減と大幅に落ち込んだ。特に週刊誌の落ち込みが大きかった(12.9%減)。ただし、これは大部数誌が発売日の関係で少なかったためという。
2月の広告業売り上げ前年比は、実に20.1%減という大幅な前年割れになった。2008年11月から4カ月連続の2桁マイナスである。マスコミ4媒体は全体として22%減になった。新聞の落ち込みが最も大きく30.7%減、雑誌24.8%減、そしてテレビも19.0%減というひどさである。プロモーションメディアも軒並み2桁の前年割れで、2008年8月まで順調だったSP・PR・催事企画も12%減と6カ月連続のマイナス成長になった。さすがのインターネットも勢いがなく、2月は4.5%減に終わっている。
2月の一般インキ出荷販売量前年比は19.9%減であった。11月の14.7%減以降、大幅な落ち込みが続いている。中小印刷業一般にとって深刻なのは、平版インキが22.6%減になっていることである。間違いなく過去最悪の状況であろう。これで、11月以降の4カ月で3回目の2桁のマイナス成長である。平版インキに次いでシェアの大きいグラビアインキも16.8%減で平版インキと同じ足取りをたどっている。2月に1桁台のマイナスで済んだのは金属インキ(6.8%減)のみである。
2月の印刷・情報用紙出荷販売量前年比は28.3%減で、1月の28.1%減に続いてひどい落ち込みになっている。10月、11月が10%台、12月~2月は20%台の前年割れである。品目別では、非塗工紙(20.9%減)、微塗工紙(21.4%減)もひどいが、塗工紙は37.5%減、前年の3分の1以下になってしまった。特に軽量コート紙は45.3%減というひどさである。その他特殊印刷用紙18.2%減、フォーム用紙24.8%減、PPC用紙13.4%減、板紙20.8%減と、大不況の影響は用紙市場全体に広がっている。
(『JAGAT info』 2009年6月号より)