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データマッピングツールを利用した自動組版・編集

従来、自動組版やデータベースパブリッシングと言えば、プログラム開発が必要で、その開発コストのために導入を躊躇することが少なくなかった。プログラム開発をおこなうため事前の効果確認も行えず、レイアウト方針の変更はプログラム修正が必要となり、リスクが大きい。

しかし、データマッピングという手法を使用することにより、プログラミングレスの自動組版を実現することが可能となる。従来のようなリスクや高い費用をかけることなしに、自動組版による効率的なDTPワークフローを実現することができる。富士フイルムグラフィックシステムズの佐々木健至氏に、データマッピングによるDTP支援ツール「DTP Spider」のお話を伺った。

DTP Spiderの開発コンセプト

一般に、企業内にはさまざまなデータがあり、昨今ではこれらを利用してDTPに取り込み、印刷物が作られる。しかし、データにはRDBやXML、Excelもあれば、Wordドキュメントの入稿もある。入稿データ形式を問わずにDTPに取り込むツールを提供したい。
また、入稿データに対する編集加工をプログラムレスで行えるツールを提供したい。プログラム言語の習得なしに、アイコンを触るだけでデータの編集加工が行える。データのコピー&ペーストという作業をなくすことで、デザイナーは本来のクリエイティブなデザインワークに専念することができる。
このようなコンセプトにより、DTP Spiderを開発した。

DTP Spiderの機能と操作手順

データベースとDTPを連携する際に必要な機能のひとつに、全角半角文字変換がある。一般企業のデータベースでは、全角カタカナと半角カタカナが混在していることも多い。印刷物を制作するには半角カタカナを全角カタカナ文字に変換する作業が必要になる。DTP Spiderでは、この変換をアイコン操作による設定で自動的に行うことができる。
その他、価格への3桁カンマを挿入、「円」の付加、用語や表記の統一、四則演算、文字列の追加などの編集・加工やデータ形式変換を自動で行うことができる。

データの入稿形式をXML、CSV、RDB、Word、Excelなどから選択することができる。それらの形式から、内部的にXMLに変換する。その上で、データの編集・加工や文字列の追加をおこなう。画像の配置という作業を行うこともできる。
レイアウトテンプレートを選択し、レイアウトをおこなう。テンプレートは、InDesignやIllustratorのデータから取り込むこともできる。
データマッピングの機能により、これらのデータ編集・加工を行い、例えばInDesignのデータとして出力する。その後、InDesign上で本来のデザインワークをスタートすることもできる。

(概要はJagat Info 2006年10月号,詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報 Text & Graphics No.246に掲載)

2006/10/17 00:00:00


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