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2007年問題に見る団塊世代退職のインパクト

2007年が明けた。今年は何といっても以前から警鐘されていた「2007年問題」の年である。団塊の世代が大量退職することによる、各種の問題が発生することを言うが、例えば、製造業で言えば、一つには団塊世代の保有する技術、技能など、マニュアル化が難しい属人的なノウハウ、職人技の継承が懸念される。また、IT関連では、レガシーシステム(メインフレームやオフコンなど)を構築してきたリーダーが退職することになり、現在のWindowsやUNIXによるオープンシステムを構築している若い世代では、一朝一夕の付け焼刃的な継承では対応が困難なシステムが残っていくことになる。
そもそも、団塊の世代の人達はどの様な特徴を持っているかと、Web上の百科事典「Wikipedia」で見てみた。

■強い競争心: 
 団塊の世代は、人口ボリュームが他の世代より大きいうえ、その直前の世代が太平洋戦争の影響で出生が極端に少なく、急激に出生が増えたことから、同世代の競争が激しく、青年期を迎える頃には、他の世代に比べてとりわけ自己主張が激しくなったとされ、議論好きとも言われる。
■自立心と責任感の欠如: 
 自己主張が強いため、物事を切り開いてきたイメージがあるが、高度経済成長と年功序列に支えられてきた面があるため、自立した人物はごく一部であり、大多数は指示待ち症候群であるという意見も根強い。少数精鋭が求められる現代社会においては決して高い能力を有している世代とは言い難い面もあるが、この傾向は1980年代以前においては功を奏し、指示に対して忠実に行動することで、大量の人材が必要であった当時の勤務状況を切り抜けられたとも言われる。
■政治姿勢:
 団塊の世代は思春期に日米安全保障条約に反対する大人たちの闘争(いわゆる安保闘争)を見ており、また、戦争についても両親や周りの人間から悲惨さを語られ、文字どおり戦後民主主義教育を受けた世代であり、戦争に関連することへ強烈な拒否反応を持つ傾向がある。
 ライブドアによるフジテレビ買収騒動の最中、当時のライブドア社長堀江貴文を支持するかというアンケートで他の世代を押さえ、最も「支持」という答えが出たのが団塊の世代であった。このアンケート結果に団塊の世代の特徴がよく現れている。

 この様な特徴を有する団塊の世代であるが、ITリテラシーや情報メディアへの姿勢がどうかと言うと、まず「TV」が世に出てきた頃を知っている世代であり、情報やその進化を目の当たりに体験しており、他世代に比較し情報へのポジティブな姿勢があること、現在のセグメンテーションやワンツーワンよりも、マスメディアなどマスの世代であることが想像される。つまり、マスで与えられた画一的情報から自身の興味や関心のある情報への希少性、付加価値は誰よりも評価するのではないか、と十羽一絡で論ずるつもりも無いが、今年は各企業が、2007年問題にどの様に対処すべきかが、ビジネスに大きく影響しそうである。

来る2007年2月27日(火)14:00から、印刷マーケティング研究会では、「人口減少時代における情報メディア市場の行方」と題して、情報メディア白書2007年版に基づいて、電通総研の井上忠靖氏、を招き、拡大ミーティングを開催致します。 詳しくは、JAGAT印刷マーケティング研究会ホームページ、もしくは印刷マーケティング研究会事務局(連絡先TEL:03-3384-3411)まで、お問い合わせ下さい。

2007/02/06 00:00:00


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