電子的なテキストデータを組版・整形して閲覧・印刷する技術は、Webブラウザ・CSS・XSLなどによって格段の進歩を遂げた。
しかし、日本語や縦組に関しては機能不足な面も少なくない。また、中国・台湾・韓国など東アジア圏でも、日本と同様な縦組についての要求が存在する。
スタイルシート技術を充実させることにより、デジタルメディア環境において高度な日本語組版を反映したデジタルドキュメントの表示・閲覧やプリント出力を容易に実現することが可能となる。
JAGATでは、関連業界のエキスパートと検討をおこない、2006年4月に「縦組スタイルシート作業部会」を発足した。
■作業部会の目標
デジタルドキュメントの表示・閲覧やプリント出力に使用するスタイルシート技術において、日本語組版に必要な指定項目と指定方法を検討する。
さらに、現在のスタイルシート仕様で不足する機能を要求仕様としてまとめ、W3Cに提案する。
■2006.10までの経過
スタイルシート技術において、日本語組版を実現するために必要な機能及び指定方法を検討した。検討に際して、JIS X 4051:2004(日本語文書の組版方法)及びJIS X 4052:2000(日本語文書の組版指定交換形式)を参考にした。
【対象とする組版機能】
・版面・柱・ノンブル、注(縦組の頭注や脚注、横組のサイドノート、後注)
・合印、割注、見出し(別行・同行・窓見出し、行取りなど)、図版、表組
・漢文、字取り、振分け、箇条書き、タブ処理など58項目。
【組版指定の前提となる基本フロー】
■検討結果
以下の資料を作成した
2006.10にドイツのハイデルベルグにて、W3Cのプリントシンポジウムが開催された。
本作業部会メンバーにより、XSLやCSSに日本語組版や縦組み機能を反映させる必要性についてプレゼンテーションをおこない、XSLやSVG関係者の関心を集めることができた。
その結果、W3C内に「Japanese Layoutタスクフォース」を発足し、日本国内のW3Cメンバーが中心となって日本語の組版方法について検討を継続することとなった。
2007/05/23 00:00:00