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カラーマネジメントにおけるICCプロファイルの運用

カラーマネジメントシステムは、異なるデバイス間の色再現を近づけるための管理システムである。一般的にICC(International Color Consotium)の規定に準拠したプロファイルを使用したシステムを呼ぶことが多い。

カラーマネジメントの基本概念は、ハードウェアのコンディションを一定に保つように管理し、入力から出力まで、ICCプロファイルを運用して色を管理するものである。カラーマネジメントシステムで利用されるプロファイルの精度は、色のマッチング精度に大きな影響を及ぼすため、プロファイルの完成度が重要になる。

カラーマネジメントの実践には、プロファイルは不可欠である。また、その実現には各デバイスを含め、条件面の標準化とICCプロファイルの運用がポイントになるという。ICCプロファイルの運用について、プロ・バンクの庄司正幸氏にテキスト&グラフィックス研究会でお話を伺った。


カラーマネジメントとICCプロファイル

カラーマネジメントシステムは、デジタルカメラ、スキャナ、モニタ、プリンタなど異なるデバイス間の色再現を近づけるための管理システムである。オープンで、メーカーに依存せず、クロスプラットフォームの利用が望まれる。一般的にICCプロファイルを使用したシステムを呼ぶことが多い。

たとえば、印刷物の製作工程では、デジタルカメラがスキャナに代わる役目を果たしているため、ICCプロファイルを使用したRGBからCMYK変換が重要性を増している。
カラーマネジメントシステムで利用されるプロファイルの精度は、色のマッチング精度に大きな影響を及ぼしている。とくに、色のマッチングと階調再現とのバランスは、大切な要素となる。

カラーマネジメントの基本概念は、ハードウェアのコンディションを常に一定に保つように管理し、入力から出力まで、ICCの規格に準拠したプロファイルを運用して色を管理するものである。
ColorSync(Apple)やICM/WCS(Windows)といったカラーマネジメントシステムのしくみがOSに搭載されているほか、色管理(CMM、Color Management Module)エンジンのLittle CMS、Adobeのアプリケーション、プリンタのRIP(Raster Image Processer)にもその機能が搭載されている。

色変換の基本的なしくみは、デバイスに依存しない色空間PCS(Profile Connection Space)を介してデータ授受を行うことである。
その際、色情報をもとにデバイスの値を決めるガマットマッピングでは、色情報が記述されたICCプロファイルを利用する。

ガマット(色域)とは、可視色域内における機器、すなわちデバイスが持っている色再現可能範囲のことであり、 色再現域/カラースペースなども同語として扱われている。カラーマネジメントシステムでは、変換側のガマットが狭い場合は近似色に置き換える必要がある。これをガマットマッピング(色域圧縮)という。

ICCプロファイルの運用

ICCプロファイルは、ICCが定めた各種イメージデバイスの色情報を記述したカラーマッチング用のファイルである。ディスプレイデバイス(モニタ)、入力デバイス(デジタルカメラ、スキャナ)、出力デバイス(プリンタ、印刷機)といった、用途に沿った3タイプのデバイスに対して作成される。ICCプロファイルには色情報がタグとして記述されている。

ICCプロファイルは、システムにインストールされているもの、プリンタドライバ等をインストールした時にインストールされるものなど、いろいろな種類がある。また、各機器固有の色を正確に変換するために、専用のプロファイル作成ツールを使って作成する場合もある。

ほとんどのプロファイル作成ツールは、CIEカラーを参考に、ICCに準拠したプロファイルを作成する。 この作成されたプリンタなど各機器の色特性情報が記述されたプロファイルを、一般的にデバイスプロファイルと呼んでいる。


(続きはJagat Info 2008年1月号、詳細報告はテキスト&グラフィックス研究会会報 Text & Graphics No.265に掲載しています)

(テキスト&グラフィックス研究会)

2008/02/18 00:00:00


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