世界のデジタル印刷事情:2008年4月
アマゾンのPODに関する新たな動き
アメリカで最大の書籍販売会社(全米シェア15%)であるアマゾン・ドット・コムは、プリント・オンデマンド・ブックの出版社に対して、もし、書籍価格以外のチャージなしで、しかも購買者に対する配送料無料の形で同社のウエッブサイトで本を販売したければ、アマゾン・ドット・コムの印刷施設を使うことを要求した。同社は2005年にブックサージ社を買収してPOD書籍印刷サービスを開始し、2006年12月にはHP社からインディゴの4色デジタル印刷機を購入しで同社のフルフィルセンターに設置、カラーオンデマンド書籍印刷を開始した。
ブックサージ社を使わない出版社でもアマゾン・ドット・コムを通じた販売はできるが、各書籍に年間29.95ドルの費用とリスト価格の55%を上乗せした価格設定になる。
(グラフィック・コミュニケーション・ワールド 2008年3月17日号、グラフィック・アーツライン・ドット・コム 2008年 3月31日号)
ドルッパ出展速報第2弾
京セラは世界最速で最も幅広のインキジェット・プリントヘッドを発表する。多色ピエゾ・エレクトリック、ドロップオンデマンド・インクジェット・ヘッドで、インキは水性顔料インキを使い、標準的な紙と非塗工紙の印刷で高い精度、品質、信頼性を実現する。過去数年におけるトライアルではミヤコシのMJP600プリンターに2つのプリントヘッドを使って、1分間にA41000ページの印刷を実現した。
パンチ・グラフィックスは、高速・高精細デジタルカラー印刷機のザイコン8000を出展する。印刷スピードは分速、A4 230ページで解像度は1200dpiである。印刷幅は12.6インチ〜20.16インチで、A4二面付けとA5の4面付けを可能とすることにより、応用範囲を広げている。
リコーとIBMのジョイントベンチャであるInfoPrint Solutions は、InfoPrint 5000を含む各種製品を展示する。InfoPrint5000は、ピエゾ・エレクトリック、ドロップ・オンデマンド・インキジェット技術である。アドビ社の多数のAdobe PostScript Ripsを動かす強力なマルチコンピュータコントロール技術を採用し高速印刷を可能にした。InfoPrint 4100 MD1/MD2は、連続用紙を高速でモノクロ印刷するが、今回初めてInfoPrint POWER Controllerで駆動して、分速175フィートを実現する。請求書印刷を行なっている印刷業者、サービスビューロ、DM印刷、書籍印刷業者向けである。
(グラフィック・コミュニケーション・ワールド 2008年4月7日号)
デジタル印刷関連展示会
この4月に、スイスのジュネーブで「第2回 Fespa Digital 展示会」が開催される。近年の技術進歩による品質と印刷スピード向上によって、大判プリンター市場は拡大基調にある。このトレンドを受けて2年前に「第1回 Fespa Digital」がアムステルダムで開催された。第1回目の結果が好調で、主催者は第2回の開催を考えた。そして、昨年ベルリンで開かれた「Fespa」におけるデジタル印刷への関心の高さが実行を決定付けた。
主催者は、「スクリーン印刷はデジタル印刷のような速さで変化することが無く、ベルリンでの展示会ではデジタルが主役になった。デジタル技術は飛躍のときを迎えた」と述べている。「第2回 Festa Digital」の規模は、前回に対して40%拡大したものになり、来場者も12000人を期待している。HP、EFI、Xaar、Agfa、DuPont、 SunChemical、 Epson Screen Europeなどが出展する。
(プリント・ウイーク 2008年3月13日号)
2008/04/25 00:00:00