(3)韓国での印刷の輸出はどのように行われているか
これについてはPEAKという韓国印刷物輸出業協会というのがあります。これは大韓印刷情報産業協同組合聯合会の一部で1989年に設立されました。PEAKという団体は輸出に関する情報、交流に関する活動を推進している。約90社のメンバーで構成されており、輸出に関心のある方であればどなたでも会員になれます。現在の時代はよく広告の時代という表現がなされる場合があります。いかにすぐれた製品があったとしてもその存在が顧客に知らされていなければまったく売れないということになります。中小は大企業ほど宣伝にお金を掛けられませんので、韓国では通商輸出促進エージェンシー(KOTRA)という組織があり、そのような仕事をサポートしています。それとともに韓国の中小企業連合会(SMBA)という政府系の機関ががあります。韓国の印刷企業が海外視察や展示会への出展といったときにその資金を援助します。PEAL、KOTRAあるいはSMBAは海外への印刷の輸出の促進しています。中小企業連合会(SMBA)からは財務的な支援も提供されており、例えばテレコミュニケーションや場所の賃貸料、あるいは翻訳料などの資金援助が提供されている。またKOTRAという団体には、世界中に出先機関があってそれぞれの地域の新聞・雑誌に広告を掲載することができ、直接にお客さまに話し掛けるようにしているわけです。このような機会を通して韓国の印刷の質の高さを訴えることが出来ますし、また海外のお客様と直接交渉できるチャンスが与えられています。大韓印刷情報産業協同組合聯合会では海外からのお客様に出張旅費の一部を支援するといった財務的なサポートを提供しています。海外への派遣団はだいたい1回に3−4カ国を訪問します。その場合KOTRAが使節団を組織したりコーディネートを担当しています。過去4年ほとトレードミッションということで印刷界のメンバーが海外を訪問しております。
このような印刷業の海外視察団は、印刷物あるいは印刷材料の質の高さをPRできる機会を与えられたことによりまして、海外と直接遣り取りができるようになりました。すぐに注文にこぎ着けるケースもあります。KOTRAは海外にいろいろな出先がありますので、特に中小企業に対して支援をしております。具体的には、中小企業の方は、KOTRAの出先機関をあたかも自分のオフィスであるかのごとく使うことができます(部屋、駐在員)。われわれはKOTRAの駐在員とより緊密な連携をとり印刷製品や手順を現地の方に伝える努力が必要です。また輸出をすることは海外にでることだけがやり方ではありません。海外からのお客様を受入れることも重要な側面です。過去を振り替えってみると十分な対応ができす、お客が帰ってしまったケースもよくありました。そのようなことから輸出サポートセンターという新しいビルの中に、印刷情報センターがオープンしました。海外とのお客様とのミーティングの場所が提供されております。この新しいビルはソウルの行政府が資金援助して作られたものです。ビジネスに関する打合せが、きれいな環境でかつ印刷物、印刷材の展示室がある場所で行えることはビジネスチャンスが一挙に広がります。このような印刷情報センターが、韓国国内だけでなく、ロンドン、フランクフルトまたシカゴなどにオープンされるのはずいぶん先のことだと思いますが、その方向に向けて韓国の印刷業界もグローバル化に向けて努力をしているとこです。
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2003/04/08 00:00:00