本記事は、アーカイブに保存されている過去の記事です。最新の情報は、公益社団法人日本印刷技術協会(JAGAT)サイトをご確認ください。

ユニバーサルデザインと印刷--江戸川区バリアフリーマップ UD印刷事例その1

小川印刷株式会社 ユニバーサルデザイン事業部 部長 渡辺慶子

今号より、ユニバーサルデザイン(以下UD)印刷の事例を紹介します。

ひろげよう バリアフリーのわ!

江戸川区では、建物や道路を改良し、お年寄りや子供、障害のある方でも住みやすい街作りを進めてきました。
これらの情報を広く伝え、楽しくお出掛けできるようなマップを作成しよう! と、プロジェクトが立ち上がりました。


▲「ひろげようバリアフリーのわ!」2004年4月

使う人が意見を出し合って作成

地域に住む多くの高齢者、障害者団体の協力により、実際の利用者意見を反映することができました。
「駅構内や駅の周辺情報が知りたい」
「真っ先にトイレの場所が気になる」
「近所のスーパーやコンビニが優先」
などが共通意見として出されました。 「近所のポストの場所を知りたい」という、視覚障害者からの要望があり、ポストの位置を掲載しました。
掲載を希望しているお店に対しては、利用者と協働で現場調査を行いました。
「出入り口の段差、スタッフの介助は?」
「トイレ内で、車いすが回転できるか?」
「点字ブロックの上に障害物はないか?」
など、意見を伺うことで初めて気づくバリアもありました。



▲実際に使う人が、掲載内容や誌面デザインを決定する

マップ自体をUD印刷の見本に

バリアフリーマップ自体がUD印刷のお手本となるよう、多くの意見を元に、工夫して作成しました。
「難しい漢字に読み仮名を振ってほしい」
「色弱の方もいるので、色遣いに注意」
「絵記号はひと目で分かりやすいもの」
などの要望を実現しました。
「ホームページでも同じ情報を見たい」
「スピーチオ(音声読み取り機械)をもっているので、SPコード(読み取りコード)を付けてほしい」などの要望があり、地図への音声対応技術も開発しました。
…次号は、「スピーチオ」「SPコード」について解説していきます。

参考:江戸川区バリアフリーマップ

印刷物にユニバーサルデザインを導入 その2
印刷物にユニバーサルデザインを導入 その1
ユニバーサルデザインって何? その3
ユニバーサルデザインって何? その2
ユニバーサルデザインって何? その1

『プリンターズサークル』9月号より

2006/09/07 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会