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オープンソースCMSのサイト構築

Web2.0時代のサイト構築に、今、オープンソースCMS(コンテンツ管理システム)が注目されている。クロスメディア研究会の拡大ミーティングより、開発期間短縮・コスト低減化が可能なオープンソースCMSについて、Zope/Ploneの事例などの講演を要約する。

コンテンツ更新の簡便化

普通の人、技術がわからない人でもコンテンツの更新や管理をできるようにしたのがコンテンツ管理システム(CMS)である。CMSがないWebサイトでは、HTMLにはコンテンツとデザインが混在している。それを変更しようとすると、HTMLとかスタイルシート、JavaScriptの知識が必要になってくる。
昔から簡易的なCMS はあった。例えば、匿名掲示板、ブログ、Wiki的なキーワードを編集するものだ。だが、掲載できるコンテンツの形が1種類しかない。これに対して本格的なCMSは、数多くのコンテンツをサポートし、様々な機能を追加できる。

商用CMSとオープンCMS

ビジネス的には、CMS導入で大きくコスト削減できるだろう。Webサイトの活性化にもつながる。コスト、手間が減ると、発想が自由になる。
商用CMSは、最初からビジネス用に作ってあるので、画面や考え方が聞けばわかるし、使いやすい。また、特定の会社が作っているので、メンテナンスやマニュアルがあることが強みだ。弱みは費用が高い。
オープンソースCMSの強みはコスト競争力である。必ずしも無料ではなく、カスタマイズ費用などがかかるが、商用に比べると競争力がある。技術自体が公開されていて透明性があるし、カスタマイズやシステム連携がしやすい。弱みは、画面や考え方がしばしばエンジニア的である。そのままビジネスで使うには少しわかりにくいものが多い。また、特定のベンダがいないのも運用面では不安かもしれない。
商用かオープンソースかという選択については、CMSに限らず、何でも「オープンソースがいい」は嘘だと思う。オープンソースでも本当に実績のあるものでないと意味はない。ただし、すぐに使ってみることができるのが、オープンソースのメリットではある。

Zope/Ploneのサイト

Ploneは、オープンソースCMSの中でも人気がある。注目ポイントは高機能性。政府系にもかなり入っているので実績もある。また、スタンダード準拠、アクセシビリティも考慮され、Pythonなど基盤技術もしっかりしている。
このPythonでできているのが、Zopeである。その上に、CMFというコンテンツ管理システムをZopeで作り上げるためのフレームワーク、ライブラリのようなものがあり、それを使ってできているのがPloneである。
日本のサイトの情報は、wiki.zope.jpという日本Zopeユーザー会のページに載っている。例えば、JETRO、毎日新聞社のマンガタウンというコミュニティサイト、山形県のサイトがPloneである。また慶応大学(三田)も、図書館のサイトを最近Ploneにした。

サイト事例

JETROのサイトは2004年にZope/Ploneベースでオープンした。RSSフィードなどを追加し、継続的に進化していている。このサイトは全部Ploneでできているが、フルカスタマイズしているので、多分そう見えないだろう。
JETROは本部以外に、ほとんどの都道府県や、何十ヵ国に事務所がある。各地のスタッフがニュースやイベント情報などのコンテンツを投入してくるが、それらはサイト権限を持った承認者が掲載の判断をしている。
日本語全文検索は、Zope/Ploneのデフォルトではできないが、関係するモジュールを入れてチューニングすると可能である。また、元来ZopeはRDBを使っていないが、他のRDBと接続することもできる。さらに、XMLのモジュールを入れて読むということもやっている。

(概要はJagat Info 2007年4月号、詳細報告はクロスメディア研究会会報 VEHICLE No.215に掲載予定)

2007/04/15 00:00:00


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