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ケータイ2.0は、コンテンツとサービスの分離から

日本は携帯電話のデジタル化とiModeのようなデジタルのサービスでは世界に先駆けることができたが、今日の世界市場における日本製携帯電話のシェアは下がり、海外での携帯電話応用もAppleのiPhoneのように先進的なものが出てくるようになった。その理由を考えると、今の日本の携帯電話の世界は、パソコンで例えるなら日本電気のPC9801や富士通のFMVが市場を席巻していた時代に似ていることがわかる。

つまりハードウェアと、それぞれ用のOS、またアプリケーションもそれぞれの機種に合わせてチューニングが必要なように、携帯電話のキャリアと、それに合わせたデバイスと、キャリアごとにコンテンツをオーサリングするようなことが行われている。このままであると新たなアプリケーションや、OSの世代を新しくするようなことは難しく、もしパソコンにおけるIBM-PC/AT互換機のようなケータイのグローバルな「標準プラットフォーム」が登場すると今の業界構造は負けてしまうかもしれない。

いずれにせよ同一のコンテンツを3キャリア向けに作り分けなければならない今日の状態は特異である。携帯電話のビジネスがこれ以上発展しないならばこの問題に限ったソリューションを考えるという方法もあるが、今後さらに高度なアプリケーションの登場を期待するならば、それを可能にする解決法に向けて思考を切り替える必要がある。

ブラウザにもOS化と似た課題が出てきているので、MicrosoftやAppleが通信やWebへの関与を強めることが理解できるが、彼らがコンピュータの変革期にのしあがったように、また別の会社にとっても携帯のデジタル応用拡大は新たな飛躍のチャンスになろうとしているのかもしれない。

世界的にみるとWebの世界はGoogleなどを典型としてWeb2.0の動きが盛んになったが、携帯電話は遅れている。Web2.0の世界では情報発信においても組み合わせの柔軟さが特徴で、それが複雑なアプリケーションを簡単に実現する肝であるように、ケータイ2.0も似たような発展をして、その先にWebとケータイの世界のシームレスな関係ができるだろう。

クロスメディア研究会会報218号より)


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