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企業Webサイトの実態とブランディング向上

いまや企業活動にとって重要な役割を果たすWebサイトは、期待している効果が現れているところもあれば、いまだ目的とする効果が現れていないところもある。 上場企業におけるWebサイトの利用と運用管理の実態を把握することを目的としたアンケート調査から、企業側の運用実態や問題・課題点をミツエーリンクス鈴木雅彦氏にお話いただいた。


「ウェブサイトに関するアンケート調査報告書」は、企業側がWebサイトにどのような期待をしているか、また運用および管理について会社側で取っている施策状況などをアンケート結果を元に考察し、Webサイトの構築・改善に役立てることを目的として、三菱UFJリサーチ&コンサルティングとミツエーリンクスの共同プロジェクトとして行ったものである。

期待する効果が得られているのは半数

「現在のウェブサイトの利用用途」という設問に対する回答として上位に挙げられるものは、「会社概要の掲載・告知」(99.0%)、さらには「IR(投資家向け情報開示)」(97.1%)、「人材募集」(85.5%)といったものであり、情報発信のためのツールとして利用しているところがほとんどである。特にIRや株式情報などを発信する企業は年々多くなっている反面、CSRなどの社会的取り組みに対する情報発信を行っている割合は若干低い印象を受ける。実際、「IR」への利用度が非常に高いのに対して、「CSRレポート、環境報告書などの情報開示」に利用しているのは34.8%と、全体的に低い状況ではある。しかし、今後も社会的な取り組みに対する情報発信がWebを使って行われていくと思われるので、このあたりも底上げされてくるのではないかという印象を受けている。

「ウェブサイトに期待する効果」という設問に対しては、企業の「ブランド認知、商品・サービスの認知向上」(94.3%)、「株主、投資家とのコミュニケーション強化」(91.2%)、「採用希望者数の増加」(85.0%)などが挙げられる。特徴的なのは、企業の業績には直接的に関係しない部分に期待しているところである。 一方、「業務コストの削減」(32.0%)や「販売効果・売上に対する直接効果(ECでの売上)」(38.2%)など、利益に直結するような項目に関してはあまり期待を寄せていない状況が見られる。

一方、掲示板やブログ、昨今ならばmixiなどのSNSの活用といった、ユーザーコミュニティとしてのWeb活用を考えている企業はまだ少ない。「掲示板やブログなどのユーザーコミュニティ」としての利用は12.4%の回答しか得られていないが、今後もユーザーコミュニティを使った、お客様との双方向のやり取りを行っていく企業は増えてくると思われるので、今後発展の余地があると考えている。

また「ウェブサイトに期待する効果の得られている度合い」としては、十分な効果が得られたとする企業と、期待した効果がほとんど得られなかったとする企業がほぼ半数ずつに分かれている。

(「JAGAT Info」2008年1月号より一部抜粋・クロスメディア研究会)

ウェブサイトに関するアンケート調査報告書(株式会社ミツエーリンクス)


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