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PAGE2008「ハイブリッドワークフロー無料体験ツアー」報告

PAGE2008の展示会場では「MIS/JDFハイブリッドワークフローZone」で「ハイブリッドワークフロー無料体験ツアー」が行なわれ、協賛各社が提供するMIS、ワークフローシステム、デジタル印刷機のさまざまな組み合わせが可能であることが体験できた。

デジタル印刷機の品質向上は目覚しいものが有るが、新たな技術としてオフセットなど有版印刷機と無版のデジタル印刷機を、同じPDFデータから用途によって切り替えて使い分けることが可能になってきた。これによって、従来はCTP−オフセット印刷のためのワークフロー工程と、デジタル印刷のためのワークフローという2つの生産ラインの一本化を可能にするものである。

ハイブリッド印刷には部数切り替え型、固定+可変情報出力型、可変丁合型があるが、今回の体験ツアーでは基本形となる部数切り替え型のワークフローの体験デモが、協賛各社のコラボレーションによって7つの体験ツアーとして行なわれた。

部数切り替え型では、例えば初期段階のサンプルレベルの小部数の印刷物はデジタル印刷で制作し、大量に必要になったらオフセットなど通常の印刷機で印刷する。そして、その印刷物の用途が終わりかける段階の小部数の注文は再びデジタル印刷機で制作する、というような使い方である。

実際には入稿される印刷原稿の仕様に従ってPDF のプリフライト、面付け設定や変更、トラップ処理の変更、色変換、プルーフ出力などを、複数のデジタル印刷機や通常の印刷機の能力に応じていつでも変更できるようなJDF ワークフローのシステム化が必要になる。

PAGE2008の展示会場で行われているツアーAは、オリーブのプリントサピエンスにMIS情報を入力、製版データはコニカミノルタのNeostreamProで管理されて、RIP処理をコダックのPrinergyで行い、コニカミノルタのPagemaster Proでデジタル印刷されて、Horizonにて製本加工する流れが体験できた。

ツアーBではアグフアの:DelanoのもとでWeb入稿された情報はオリーブのプリントサピエンスまたはトスバックシステムズのひだりうちわでMIS情報を入力し、PDFはRIP処理してコニカミノルタのPagemaster Proでデジタル印刷される流れが体験できた。

ツアーCではホリゾンブースにおいて、オリーブのプリントサピエンスにMIS情報が入力され、PDFは大日本スクリーンのTrueflow SEでRIP処理して、キヤノンのimagePRESS7000でデジタル印刷を行い、Horizonで製本加工される流れが体験できた。

ツアーDではオリーブのプリントサピエンスやトスバックしシステムズのひだりうちわにMIS情報の入力され、原稿のPDFは富士フイルムのXMFでRIP処理されて、DocuColor5000でデジタル印刷が行なわれ、Horizonにて製本加工する流れが体験できた。

ツアーEでは大日本スクリーンのRiteinfoにMIS情報を入力、原稿のPDFはTrueflowSEで処理されて、富士ゼロックスのDocuColor5000ででデジタル印刷を行なう流れが体験できた

。 ツアーFでは大日本スクリーンのRiteinfoにMIS情報を入力、原稿のPDFはTrueflowSEで処理されてコニカミノルタのPagemaster Proでデジタル印刷を行なうする流れが体験できた。

ツアーGではコダックのWeb to printの仕組みであるInsiteからWeb入稿された情報を一旦Prinergyで受け取ってMIS情報をオリーブのプリントサピエンスに転送入力し、PDFはPrinergyでRIP処理されてコダックのNexpress S3000でデジタル印刷、さらにHorizonで製本加工する流れが体験できた。

さらに、ハイデルベルグジャパンのブースでも、ハイブリッド印刷のデモが行なわれ、最新のオフセット印刷機であるアニカラーと、富士ゼロックス、コニカミノルタ、キヤノンの3機種のデジタル印刷機を設置してサンプル印刷を行い、オフセット印刷とデジタル印刷の品質が大差ないところまで来ていることが示された。

JDFステーションではさらに3つのプレゼンテーションが行なわれた。 1つ目は、オリーブのMIS、プリントサピエンスに新たに組み込まれる、自動予定組ソフトのジョイスケジューラー(ジェイティエンジニアリング社)である。これによって頻繁に発生し工務作業の大きな負担になっている工程の予定変更を、ほぼ自動的の行ってくれる画期的な機能である。

2つ目は、メーカー向けソフトウエア開発を手がけるメタテクノ社が開発した、JDFに非対応のMISと印刷機や加工機、デジタル印刷機などの生産機器をJDF対応化するBackStreetと呼ばれるインターフェースソフトである。今回のハイブリッドワークフロー体験ツアーでも、オリーブのプリントサピエンスとキヤノンのimagePRESS7000のJDF連携や、同じくアグフアの:DelanoとのJDF連携に組み込まれていた。

3つ目は、日本ヒューレット・パッカードのインディゴビジネス本部から商印出版市場向けのIndigo press 5500、同3500、パッケージ・軟包装・シールラベル市場向けのHP Indigo press ws4500のラインナップやワークフローRIP・加工機メーカーなどパートナーとのコラボレーションをご紹介された。

ハイブリッドワークフローは、特に複数台ある印刷設備の一部にデジタル印刷機があるという状況で、オフセットによる印刷物と一緒にデジタル印刷物も既設の製本加工工程にそのまま流す使い方に向くだろう。 一方で、製本機を組み込んでインライン化したデジタル印刷機は、極短納期のオンデマンド生産ラインとして威力を発揮する。

PAGE2008 MIS/JDF Zone協賛各社のハイブリッドワークフロー

2008/02/08 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会