クロスメディアエキスパート認証制度は、IT、ネット、メディアによって顧客のビジネスが大きく変化している中、得意先のニーズや課題を理解した上で、情報資源を紙、DVD、インターネット、モバイルなど多様なメディア(クロスメディア)へ効率良く効果的に展開・提案することができる、デジタルメディア制作のディレクターやプロデューサーを認証する制度である。 2006年3月の第1期に始まり、2007年8月までに4回の試験を実施し、総受験者数は595人。現在、全国で139名がクロスメディアエキスパートに認証され、活躍している。
合格者の方からは、以前より「横のつながりが欲しい」「同じビジネスに取り組む方々との交流の場はないのか」「社外ネットワークを作りたい」との意見が事務局に数多く寄せられており、また、2007年11月に実施したアンケートでも同様の回答が多く、それらの要望にこたえるべく、懇親会が開催され、業種や職種は違っても、『クロスメディアビジネス』という共通意識によってつながる、東西エキスパートクラブが新しいコミュニティとして発足した。
懇親会の冒頭、認証委員の佐々木雅志氏がクロスメディアエキスパートとして、求められる役割や今後目指してほしい人材像について語る。
今まで、顧客の販促活動の一部を担い、印刷物などを受注してきた経営者にとって、客とともに仕事を作るクロスメディアビジネスは雲をつかむような話で、まだまだ理解してもらえることが少ない。仕事に対する評価も難しいだろう。だからこそ有資格者には、(1)後輩にあこがれられる人、(2)行動理由や利点を論理的に言える人、そして(3)稼げる人(企業競争力の源泉となれる人材)になってほしい。 つまり、業界と会社のエンジンとなって、中心的な役割を担ってほしいということである。
そのためには、常に自らモチベーションを高め、成長していくことが必要となる。社内外で'共通語'で話し合える仲間がいることは重要であり、これからもっと大事になってくる。 クロスメディアエキスパートクラブは、そうした仲間を増やす汎業界的な集まりであり、業務交流を活発化する新しいコミュニティである。
「有資格者同士なら、初対面でも共通意識によってすぐに意気投合できる。これが大きなメリットであり、このつながりを今後さらに広げていきたい。今回の懇親会は良いきっかけになると思う」 と大日本印刷の池田敬二氏が抱負を語った。
「施主の希望を受け、家をデザインし、大工に伝える、言わば建築家がDTPエキスパートであり、家々や公園、学校など街全体のグランドデザインができる人がクロスメディアエキスパート。つまり、全体を見渡せる目を持つことが大切」と語るのは、大書プリンテックの阿部義之氏。
3人の話に引き込まれた参加者は、熱心に耳を傾け、求められる役割を再認識するとともに、思いを新たにしていた。 その後のクラブ幹事役選出では、満場一致で、大日本印刷の池田敬二氏と、大書プリンテックの阿部義之氏が承認され、ここに東西クロスメディアエキスパートクラブが発足した。
佐々木氏の話や池田氏、阿部氏の所信表明による、メンバーの盛り上がりのまま、懇親会の後半はクロスメディアエキスパート認証委員長、田村明史氏の乾杯の音頭に始まり、にぎやかな立食パーティとなった。
池田氏が抱負で語ったとおり、会場は、参加者同士すぐに打ち解け合い、とても初対面の人が多いとは思えないほど、和やかな雰囲気の中、積極的な自己紹介や情報交換の場となり、歓談の時間は瞬く間に過ぎていった。
資格をとおしてさまざまな業種や職種の人々がつながることができる。人・会社・仕事が結び付く。それこそがクロスメディアエキスパートの魅力であり、また、そこにはこれからのビジネスの種が隠れているかもしれない。新しい何かが生まれそうな予感のする懇親会だった。
なお、今回誕生したエキスパートクラブは次の点を主な目的とする。
1.新しい時代のクロスメディアビジネスを語り合う
2.年2回、有資格者同士のイベントを開催し、親睦を深める
3.後進を育成する
またすべての有資格者へは、今後の正式発足を受けて、クラブメンバーの案内を行う。
(2008年3月 クロスメディアエキスパート認証制度事務局)
[関連情報]
◇クロスメディアエキスパート認証制度
2008/03/27 00:00:00