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第5期クロスメディアエキスパート認証試験報告

受験者は前回比で約20%増
クロスメディアエキスパート認証制度は、メディア制作に携わるディレクター、プロデューサー等が、業務上必要とされる専門知識や企画提案力を問う資格試験である。 第5期認証試験は、3月16日、青山学院大学(東京)ほか全国4会場で同時に実施された。申請者は前回比で27.6%増の185名、受験者は前回比で21.6%増の169名であった。受験者属性では、職種別で営業の割合がもっとも高く23.1%、次いでシステム設計・開発が21.9%、企画・編集が19.5%と続く。

時間が勝負の学科問題
学科試験は、メディア概論、経営概論、IT概論、クロスメディア、ネットワークとデータベース、デジタルコンテンツの6分野の知識を問う問題がマークシート形式で出題された。専門用語の理解、メディア動向だけでなく、あえて長文問題を織り交ぜて、知識とともに判断力を問う。なぜならばこの認証試験では、受験行為自体が以降の業務に活かせる内容を目指しているからだ。

設問数は前回より13問多い238問が出題されたが、制限時間(2時間)で解答するにはかなりの分量である。最後まで解答しきれなかった受験者もかなりいたようだ。カリキュラムの理解については、「クロスメディアエキスパート情報マガジン」や事前対策セミナー、模擬試験など受験対策の手段が増えつつあり、事前に対策をしてから試験に臨んでいるようだ。カテゴリ別にみると、IT概論とクロスメディアで平均点が7割近い正解率となった反面、ネットワークとデータベース、デジタルコンテンツの正解率が下がった。これは試験問題の後半のカテゴリであったため、解答時間が足りなくなったことも要因のひとつとして考えられる。

与件を読み解く能力が試される論述問題
論述試験では架空の企業である「越路酒造株式会社」が抱える問題に対して、問題分析、改善点、メディアによってできること、提案が自社にとってどのように益になるのか等を解答するほか、「わが社」の企画内容を提案書様式で記載するものである。制限時間(2時間)で解答するには短時間で与件を読み解く能力が必要となる。論述試験についても学科同様、事前の対策が進んできたようであり、試験会場では直前まで対策プリントに目を通している受験者も見られた。


第5期試験の合格発表は5月下旬を予定している。また、今期より更新試験もはじまり、対象者は自身の業務経験において試行錯誤したり刺激を受けたことなどを振り返ってもらう。

(2008年4月)


関連サイト:クロスメディアエキスパート認証制度

2008/04/05 00:00:00


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