全印工連「平成19年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によれば、回答企業422社の1社当たりの純売上高は2006年12億1659万円、外注加工費は3億943万円で、外注加工費が純売上高に占める割合は25.4%となっています。
これは2005年に比べ1.4ポイント上昇していて、2年ぶりに増加しました。
外注加工費の内訳は、印刷代が34.9%(1億839万円)で最も高く、印刷会社の主要得意先が印刷会社であることを裏付けています。
次いで、製本・加工代21.9%(6796万円)、その他17.2%(5361万円)、デザイン・イラスト・編集等12.6%(3923万円)、写真製版代6.2%(1936万円)と続きます。
印刷代、デザイン・イラスト・編集等は増加傾向、一方、製本・加工代は減少傾向にあります。これは、DTP/CTP化が浸透し、情報ネットワークによるデータのやり取りがスムーズになったことも要因の一つですし、自社で製本・加工に取り組む会社が徐々に増えている可能性があります。
業態別では、純売上高に占める外注費の割合で見た場合、出版印刷の35.5%が最も高くなっています。
その内訳は、印刷代33.3%、製本・加工代22.5%、組版代16.8%です。次いで、商業印刷の25.9%となっており、その内訳は、印刷代37.6%、製本・加工代19.3%、デザイン・イラスト・編集等16.3%です。さらに、総合印刷25.3%が続き、内訳は、印刷代31.3%、その他27.1%、製本・加工代20.5%となっています。
加工高(純売上高から、外注加工費、材料費、商品仕入れ代を引いたもので、企業の創出した付加価値と見なし得る)は、1社当たり5億7414万円で、純売上高に対して占める割合は47.2%(前年47.6%)と低下しました。
材料費22.9%(前年23.2%)商品仕入れ高が4.5%(前年5.3%)と低下したにもかかわらず、外注加工費が25.4%(前年24.0%)と上昇し、材料費、商品仕入れ代の低下分を上回ったために加工高が減少してしまっています。
2006年以降、用紙は断続的に値上がりしており、材料費、商品仕入れ代の上昇分を価格に転嫁できないまま外注加工費が増えると、ますます加工高が減少する恐れがあります。
2008/04/16 00:00:00