日本経済は景気拡大が戦後最長を記録しましたが、国際競争の激化、事業再編による統合や合併、企業間で業績に明らかな差が出るなど、全般を見ると、依然として国内の全製造業の事業所数は減少傾向にあります。
経済産業省の「平成17年工業統計表 産業編」および、「平成18年工業統計表」(概要版)によれば、2006年の全製造業の事業所数(従業員4人以上)は前年比6.6%の減少で25万8543となりました(2005年は悉皆(しっかい)調査であり、2006年の推計とは調査条件が若干異なることに注意)。10年前の1996年と比較すると30.1%減で、11万1069も減少しています。この10年は中国などへ、低コストと海外市場を求めての製造業の海外進出が目立ちました。
従業員4人以上の印刷業では、2005年に1万3825が、2006年に1万2742となっており1083の減少(7.8%減)、96年と比較すると26.0%減で4488の減少となっています。印刷業も厳しい状況にあり、業界再編・淘汰は進んでいます。
従業員4人以上の製版業の事業所数を見てみると2005年は1442、2006年には1267となり、12.1%と大幅な減少が続きました。96年には3037でしたから、この10年で1770と半分以下に減ったことになります(58.3%減)。
これはデジタル技術の進展により、DTP/CTPの浸透が加速した影響と考えられます。製版会社の経営環境は一層厳しい状況です。
製本業(従業員4人以上)は2005年が1436、2006年で1348と88の減少(6.1%減)、10年前の96年の1821と比較して473の減少(26.0%減)になっており、印刷業の減少幅と同調しています。
印刷産業全体(従業員4人以上)では、2005年1万7919、2006年で1万6466と8.1%の減少、96年の2万3477と比較すると、7011の減少(29.9%減)となっています。
印刷企業の規模別構成比(2005年)を見ると、100人以上は388で1.5%を占め、そのうち500名以上はわずか24(0.1%)に対して、従業員10人未満の企業が全体の76.2%であり、印刷業が中小主体となっていることが分かります。
2008/04/26 00:00:00