クロスメディア研究会の4月勉強会では、(株)情報通信総合研究所の仁木氏に情報通信分野の最新動向をお話しいただいた。
ブロードバンドは当たり前・ネット利用は成熟期に
総務省の発表によると2007年12月末時点でインターネット接続サービスの契約数3,247万契約のうち87%の2,830万契約がブロードバンドサービス加入者となっている。契約者数の推移を見ると、徐々にDSL加入者が減少、FTTH加入者が増加しており、このまま推移すると2008年末にはFTTH加入者がDSL加入者を抜く見込みである。
一方、総務省「平成19年通信利用動向調査」では、FTTH利用世帯がDSL回線利用世帯を超過しており、インターネット利用者は8,881万人、人口普及率は69.0%となっている。
「ネットはケータイのみ」世代の増加
インターネット利用に際して、2006年末ではPCと移動端末を併用する利用者は6,099万人であり併用が一般的な利用スタイルとなっていることがうかがえる。2007年末では併用利用者は5,993万人であり依然として併用が一般的な利用スタイルであるが、移動端末からのみの「モバイル・オンリー・ユーザー」も992万人となって前年の588万人から大きく成長している。この層の多くは10代の若者であり、今後も増加する傾向にある。
情報武装する生活者
情報通信総合研究所の調査によると、商品購入するまでに約8割の人が検索や比較・クチコミサイト、メーカーのWebサイトなどのリサーチ・メディアを経由している。ネットが普及する以前は供給側が優位であり、生活者にとって情報とは、商品の売り手側またはメディアから提供される限定的なものであった。ネット利用が成熟した現在では、生活者はクチコミやブログなどの情報取得・共有手段を手に入れ、選択権を持ち優位にたつようになった。このような不可逆的な流れは売り手に対して、買い手優位の状況が無視できない要因を作り出しており、今後は生活者の変化を見据えたような価値提案が必要になってくる。
(詳細は会報VEHICLE230号に掲載予定/研究会会員用報告ページはこちら)
2008/05/05 00:00:00