2007年の書籍・雑誌の販売額は前年に増加した書籍も減少に転じ、雑誌の減少も止まらずに、3年連続の減少となりました。
全国出版協会・出版科学研究所の「出版月報」2008年1月号によると、2007年の書籍の推定販売部数は、ほぼ横ばいと言える前年比0.03%増で7億5542万冊ですが、推定販売額は9026億円で前年比3.2%減となりました。
販売部数が微増であるにもかかわらず、販売金額が減少したことから一点当たりの販売価格が低下していることが分かります。
一方、雑誌の推定販売部数は26億1269万冊で、前年比で3.2%の減少となりました。
月刊誌は4.0%減の17億2339冊、週刊誌は前年比1.6%減の8億8930万冊となりました。週刊誌は9億冊を切り、97年の15億1572万冊と比較すると58.7%と大きく落ち込んでいます。
雑誌全体の販売金額は前年比3.1%減の1兆1827億円で、その内訳は月刊誌が4.1%減の9130億円で、週刊誌は0.8%増の2698億円ながら合計では10年連続の減少となりました。
書籍と雑誌の合計では、前年比3.1%減の2兆853億円となりました。
書籍の需要は、雑誌の不振が止まらない中で比較的安定しています。
特に近年はメディアミックスの作品が売れる傾向にありますが、2007年はケータイ小説を書籍化したものがベストセラーの上位にランクされました。
雑誌販売部数は12年連続で減少しています。書籍に比べると何らかの情報提供がコンテンツの中心になる雑誌は、フリーペーパーの普及、インターネットや携帯電話などの影響を受けやすく、競合が厳しくなって需要の落ち込みにつながっているようです。
このほかには、コンテンツ配信ビジネスとしての電子本(eBook)の動向なども注目されます。特に携帯電話向けの市場はコミックスを中心に伸びています。
2007年の書籍の新刊点数は、7万7417点と前年比0.4%減と8年ぶりに減少しました。
雑誌の創・復刊点数は前年より21点増加して182点、休・廃刊は前年より51点増加して218点となりました。月刊誌の平均価格は541円、週刊誌310円と、それぞれ前年より0.2%高、3.0%高となっています。近年、特に増ページや付録などにより、雑誌は値上がり傾向にあります。
2008/05/29 00:00:00