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事前準備のすすめ

2008年3月16日に実施された第5期試験について5月19日(月)に合格発表がおこなわれた。先日開催された、認証委員会の講評にて話題にあがった、試験の事前対策に関する内容を一部紹介する。

※クロスメディアエキスパート試験とは、顧客のニーズに対応して多様なメディア(クロスメディア)を提案できる人材を認定する試験である。第5期の論述試験では、酒蔵関連企業が抱える問題に対して、受験者は中堅商業印刷会社・子会社の担当者として改善案を含んだクロスメディア提案をするというかたちで出題された。

一度しかない時間

論述試験において提案書を作成するにあたり、120分という試験時間を有効に活用しないと、提案内容について十分に考え抜くことが出来きなくなってしまう。さらに、時間もなくなってしまい中途半端な提案書になってしまうことがある。解答の時間がなくなってしまう人の多くは、何度も与件を読み直してしまう傾向がある。提案書を書く前に、提案内容をイメージし、与件から使用する情報を絞り込まなければならない。与えられている情報を全て使おうとすると、考えがまとまっていないまま提案書を作成することになってしまうだけでなく、限られた大切な時間を失ってしまいかねない。

試験時の時間配分設計

論述試験の解答作成方法は様々あるが、合格する受験生は時間配分を設計していることが多い。 例えば試験開始の合図を聞いてから、設問の確認(5分)、与件の読み込み(30分)、与件の分析(20分)、提案書作成および各問への解答(60分)、見直し(5分)といった具合である。この設計でも、与件の読み込みが30分しかない。120分という試験時間が、長くはないということがわかる。限られた時間内に説得力のある提案書を作成するには、自分なりの試験に対する時間配分を設計する必要がある。なお、自分に合った緻密な時間配分を設計するには、論述試験に慣れることが重要なポイントである。

試験慣れするために

論述試験に慣れるためには、出来る限り論述試験の経験をすることである。それは、試験を何度も受験するといった意味ではない。クロスメディアエキスパート認証試験に関する情報を集め、論述試験の出題内容と提案書となる解答の作成手順を作り上げることである。「クロスメディアエキスパート情報マガジン」には学科試験の問題例にとどまらず、論述試験の問題例と解答例が記載されている。ぜひ、参考にしていただきたい。

情報の絞込み

与件の読み込み方法も人により異なるが、その方法の一例を挙げる。与件を読み込む際には、読み方に強弱をつけポイントをおさえていく。マーカーを活用すると与件を分析するときにポイントがわかりやすくなる。ポイントは、提案先となる企業の背景や、その企業の強みや弱みなど、後にSWOT分析等に用いるキーワードとなる。「強み:赤」、「弱み:青」など自分なりのルールを決め、色分けしたマーキングをしておくと与件分析の際にポイントがわかりやすくなる。提案内容となる施策を検討するために、SWOT分析や3c、4P(マーケティング・ミックス)などのフレームワークをとりいれることを勧める。提案先の問題や課題、施策のターゲット、施策を実践したことによるメリットを明確にしすることが論理的な提案につながる。

経験を活かす

以上のことを踏まえ、たとえ同じ問題であっても試験時間を意識したうえで、何度も読み込み、何度も書く取り組みをすることで、論述試験に対する実力がつく。はじめのうちは、解答例を書き写すだけでも良い。さらに自分の解答を書いてみることにより、試験に対する時間設計ができるだけでなく、解答例と自分の解答を比較することで、良い部分や悪い部分がわかる。さらに、新たな施策が生まれるなど様々な効果が期待できる。また、この経験は実際のビジネスの場においても役立つであろう。前述した事柄を試験に臨む際に役立てていただければと思う。

 

関連情報:
イニシアティブをとれるメディア提案[特別イベント]
クロスメディアエキスパート認証制度
知識だけでは語れない[第5期試験講評]

過去の講評記事:
顧客はあなたの提案に納得しているか?[第4期試験講評・前編]
「なぜ?」が解決策を生む[第4期試験講評・後編]
広範な知識が可能性を拓く[第3期試験講評・学科編]
クライアントの本質を掴むことがチャンスに[第3期試験講評・論述編]
同時開催のDTPエキスパート・クロスメディアエキスパート認証試験報告[第2期試験実施報告]
第1期クロスメディアエキスパート認証試験を終えて[第1期試験実施報告]

(2008年5月)

2008/05/19 00:00:00


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