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印刷関連市場、資材統計から見る景況

主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2008年1月の景況報告


市場動向

1月の書籍雑誌推定販売金額前年比は4.2%減の大幅減になった。書籍(3.2%減)、雑誌(5.0%減)ともに2カ月連続の前年割れである。書籍は、ケータイ小説の伸びの鈍化とベストセラー商品の販売部数水準が低いためである。売れ筋商品が不足している上に、返品率も2カ月連続で前年を上回った。雑誌は、やはり週刊誌(2.2%減)に比べて月刊誌(5.2%減)が悪い。既存誌の売れ行きが低迷し、それが休刊誌の増加を招いての減少である。雑誌の返品率も悪化している。

1月の広告業の売上前年比は3.4%減であった。2007年下期は6カ月連続のプラスだったが、ガタッと落ち込んだ。やはり4媒体広告が悪い。全体の前年比は5.3%減で、特に新聞が8.2%減と大きく足を引っ張り、テレビも4.4%減である。SP広告も屋外広告(6.3%減)、折込・ダイレクトメール(6.2%減)がかなり落ち込んでいる。昨年10月以降、大きく伸びていたSP・PR・催事企画も、前年は上回ったものの2.8%増と小幅で、インターネット広告も10.4%増だから景気減速の影響があるのだろう。

仕事の状況

1月の一般インキの出荷販売量前年比は2.7%増であった。紙の動きと同様に、12月はほぼ横ばいだったが1月は順調に伸びた。品目別に見ると、シェア50%弱の平版インキが1.6%増と堅調に伸び、シェア2位のグラビアインキも4.2%増となって、全体をけん引した。大きく伸びたのは金属インキ(14.3%増)である。昨年11月の前年比10.8%、12月の12.6%と3カ月連続での2桁成長である。樹脂凸版インキは3.9%減であった。昨年10月以降、伸び率が鈍化して、1月は前年割れになった。

1月の印刷・情報用紙の出荷販売量前年比は、2.5%増で4カ月連続のプラス。12月は0.1%増の前年並みだったが、ほかの3カ月は3%前後で伸びた。非塗工紙(3.5%減)は中級印刷紙の12.5%減を始め、上級印刷紙を除く3グレードすべてが大きく落ち込んだ。塗工紙は12月に一時前年を割り込んだが、1月は2.7%増と盛り返した。アート、コート、軽量コートの3種ともに伸びた。一昨年から昨年前半まで低迷していた微塗工紙は、9月以降息を吹き返し、1月の前年比は15.8%増になった。

(「JAGATinfo 2008年 5月号)

2008/05/22 00:00:00


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