印刷界OUTLOOK2008（12）
●4年連続で増加、インターネットが雑誌を抜く
電通の「2007年（平成19年）日本の広告費」によると、2007年の日本の総広告費は、前年（6兆9399億円）より1.1％増の7兆191億円となり、4年連続で増加しましたが、伸び率は低下しています。
なお、今回、日本の広告費は見直しがあり、雑誌は専門誌・地方誌などに拡張、交通は鉄道・バスに空港、タクシーを追加、DMも以前の郵便料に民間のメール便配達料金などを含めるといった推定範囲の改訂による拡大がありました。
総広告費が伸びている一方で、これまでの広告の中心と言えるマスコミ4媒体の広告費合計は、3年連続の減少で前年比2.6％減で、3兆5699億円となりました。
内訳はテレビが0.9％減の1兆9981億円とほぼ横ばいのほかは、新聞は5.2％減で9462億円、雑誌は4.0％減の4585億円、ラジオが4.2％減の1671億円となりました。3年続いて4媒体すべてが減少しています。雑誌はインターネット広告費に抜かれました。
●プロモーションメディア広告費は4年連続で増加
プロモーションメディア広告費は前年比1.9％増で2兆7886億円となりました。これはDMや折込、POPなど、以前はSP広告費としていましたが、呼称をプロモーションメディア広告費と改称しフリーペーパー・マガジンを加えるなど内訳が見直されました。
内訳は、折込が前年比1.7％減の6549億円となったほかは、DMが同3.1％増の4537億円、交通が2.0％増の2591億円、POPが同2.2％増の1886億円、展示・映像他が3.7％増の3584億円、フリーペーパー・マガジンが9.7％増の3684億円でした。このほか電話帳が12.1％減の1014億円と大きく減少しています。
衛星メディア関連広告費（衛星放送、CATV、文字放送など）は前年比10.8％増の603億円と、去年に続き2桁の伸びですが、伸び率は落ちています。
インターネット広告費は前年比24.4％増の6003億円で、ラジオ、雑誌を合わせたものに匹敵する規模に成長しています。その内訳として媒体費が4591億円（同26.5％増）、広告制作費が1412億円（前年比18.1％増）と、近年の高い伸び率を維持しています。インターネット広告は広告主にとってかなり身近なものになって、高い広告効果が期待できるという認識が定着したようです。
2008年4月号より
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2008/06/02 00:00:00