印刷・製本業は、経済産業省の商務情報政策局文化情報関連産業課の所轄です。旧通産省では生活産業局紙業印刷課の所轄で、印刷関連業界だけでした。しかし文化情報関連産業課には、印刷・製本業のほかゲーム用ソフトウエア、映画・映像産業、レコードなどの音楽産業、広告代理業などのコンテンツおよびその加工をする産業が属します。
印刷業は製造業ですが、単に紙へ印刷するだけから、情報を加工してさまざまなメディアにアウトプットできる産業への脱皮が求められていると言えます。参考に同じグループであるゲーム業界とレコードなど音楽産業を見てみます。
社団法人コンピュータエンターテイメント協会(CESA)の「2007CESAゲーム白書」によると、2006年のソフトウエアとハードウエアの総出荷額は1兆6323億円で、前年比20.0%と大幅な増加となりました。このうちソフトウエアの総出荷額は6742億円(前年:4871億円)です。
一時、国内のゲーム市場規模は減少傾向を示していましたが、2005年から再び増加傾向にあります。これは携帯用ゲーム機や新型ゲーム機が発売され、順調に台数を伸ばしていることなどが要因と思われます。また、国内市場では専用ゲーム機向け以外も携帯電話向けなどの市場も拡大しているようです。
なお、有料ネットワークゲームの、2006年の国内市場規模は208億円(前年313億円)と推定されています。
2007年のレコード生産実績は、日本レコード協会の調査によると、同協会加盟45社(受託販売も含む)のオーディオレコード、音楽ビデオを合わせた総生産数量は前年比8.1%減の3億1866万枚・巻(前年:3億4678万枚・巻)、生産金額は前年比4.2%減の3911億円(同4084億円)となりました。
オーディオレコードとは、コンパクトディスク(CD)、アナログディスク、カセットテープその他となります。音楽ビデオとはDVDやLD、テープなどで、生産量は5185万枚・巻、金額で578億円となっています。
また2007年の有料音楽配信(同協会加盟43社実績:着うた、着うたフル、PCシングル、アルバム)の売り上げは前年比41%増で755億円、数量は同26%増で4億6500万ダウンロードと大きく伸びています。
2008/06/14 00:00:00