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印刷関連市場、資材統計から見る景況

主要印刷市場および製版印刷材料の出荷販売量から見る2008年3 月の景況報告。


市場動向

3月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△6.4%の大幅な前年割れになった。昨年9月(△8.6%)、12月(△7.5%)に次ぐ大幅な落ち込みである。書籍も△6.1%と大きく落ち込んだ。一方、書籍の販売部数は△1.6%で、売れ筋が廉価本という傾向に変りはない。雑誌では月刊誌が△7.0%、週刊誌が△6.0%でともに大きな前年割れである。返品率は書籍が30.8%で前年より1.9ポイント、雑誌は31.8%の2.5ポイントといずれもかなり上昇しており、この点からも売れ行き低迷が見て取れる。

3月の広告業の売り上げ前年比は1月の△1.1 %で再び前年割れになった。やはり、マス4媒体の不振(△4.6%)が元凶である。特に新聞のマイナス(△9.7%)が大きく、テレビも2.9%となり、マス4媒体の主役の二つが全体の足を引っ張った。 逆に、ここのところ好調だったSP・PR・祭事は、プラスではあったが0.4%の前年並みである。インターネット広告は11.3%増だが、いままでの伸びに比べる小幅で、3月は、全体として景気の影響が反映しているように見える。

仕事の状況

3月の一般インキの出荷販売量前年比は△3.3%であった。6ヶ月振りの前年割れである。3月の大きな特徴は、主力の平版インキが△6.4%と大きく落ち込んだことである。1月2月の好調さと対象的で、去年の3月の水準が高いということもないから、やはり景気の影響が出ているのだろう。ここのところ好調なのは金属インキで3月も4.7%増、6ヶ月連続で前年を上回っている。ただし全体への影響度は小さい。平版と並ぶシェアのグラビアインキは△1.0%であった。

3月の印刷・情報用紙の出荷販売量前年比は△0.7%で6ヶ月ぶりの前年割れになった。1月、2月が次の値上げへの対応だったとするとその動きも一段落ということかもしれない。しばらく低迷していた非塗工紙が2月には伸びて3月に一気に△7.1%になったことは、やはりそのような動きのように見える。塗工紙では、やはり微塗工紙が好調で9.5%増になった。塗工紙ではコート紙の△2.3%以外は前年を上回った。フォーム用紙は二桁 (△11.2%)落ち込んだ。白板紙は3.0%増。

(「JAGAT info 2008年7月号」より)

2008/07/23 00:00:00


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