「JAGATのホームページをチェックすれば、何か必ず良いことがある」の一つとして本日は、2008年8月24日(日)に実施される「第一回 色評価士検定」についての情報を御提供したい。といっても「問題リーク」とまでは無理なので期末テスト前に先生が教えてくれる試験範囲くらいと考えていただきたい。また、これを見なかった人から「不公平だ」と怒られるかもしれないが、「情報収集を常に心がけている人は得をする」くらいに心を広く持っていただければありがたい。
さて実際の検定試験ではあるが、選択形式で「知識を問う第一部試験」と論述形式で「色のセンスや考え方を問う第二部試験」に分かれている。DTPエキスパートの資格保持者は第一部試験が免除となる。
第一部試験時間は50分で説明時間も含まれるので45分と考えていただければ問題は無いと思う。基本的にDTPエキスパート試験の色関連問題を想定いただければ大丈夫だ。今回の試験問題は84問だが、JAGAT内部では30秒/一問が試験時間の目安となっている。エキスパートの過去問題の中で色関連問題を当たっておけば、まず間違いがない。
本番試験ともいえるのが第二部試験だが、こちらは論述形式となっている。且つ実技試験も含まれているので、受験者にとっては未知数が多く不安かもしれないので、そのうちのいくらかでも払拭するために出題問題について解説したい。
第二部試験の問題項目は、
- 眼
- 色の感じ方
- CIE・表色系・色弁別
- 光源・スペクトル
- 色材
- 測色・蛍光
- デバイス
- CG
以上8項目で、これらを満遍なくカバーするように出題するつもりだが、若干の重複や複合問題、実技試験になっていたりする場合がある。例えば色弁別や色の感じ方として実技問題に含めてしまう場合がある。
さて本日のハイライト「こんな問題が出るんじゃないかなぁ?!」を発表する。
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実技問題は以前から言っているように色票を並べたり、二つの色票を比較してどのように異なっているか?判断する問題を出題する。LabやXYZ、彩度、明度変化によってどのように色が変わるかは把握しておいていただきたい。
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色調修正の実技問題もアナウンス通り出題する。例えば図1のように「左側のオリジナル画像を右画像のように色調修正するにはどうするか?」を問うような問題だ。印刷物もしくはインキジェットサンプルとなるのでメタメリズム等を考慮して特徴点の色データは明示しておく(積りだ)。しかし色データといってもCMYKが明示されることはほとんどないので、その辺は御了承しておいていただきたい。またヒント1での色票はメタメリズムが起こらないものを使用していることも確認しておく。
図1
色修正方法についての説明は特別なアプリケーションでの特別な数値や固有の名称で答えても減点対象とするので一般的な見地で答えていただきたい。要するに特別なアプリケーションを対象に答えていただいても構わないが、説明は一般的に翻訳して解説していただきたいということである。
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CIE表色系については、その原理・思想までを理解しておいていただきたい。「なぜXYZが生まれてきたか?」「なぜLabが生まれてきたか?」「CIECAMとは?」ということである。
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デバイスについての問題も必ず出る。開発者でない方もデジカメや液晶ディスプレイの原理については理解しておいていただきたい。赤外カットフィルタが無いとどういうトラブルがあるか?しかし有るために起こってしまうデメリットもあるという辺りの知識は開発者でなくても必須である。
液晶ディスプレイも最近はAdobe RGB対応モニタが急増しているが、せっかくの広色域モニタも正しい知識を持っていないと宝の持ち腐れどころか普及版モニタの方が良い結果になってしまう。そんな辺りの啓蒙の意味を含めて問題化していくつもりである。
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測色についてだが、既に基本知識としての問題はたくさん有る。今回は最近特に問題になっている紙白辺りと絡めて出題するかもしれない???
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分光については、ここ数年JAGATではこだわってきたが、照明の分光特性、被写体の分光反射率特性が分っていると色の再現精度は飛躍的にアップする。とりあえずは第一回目なので難しい問題は出すつもりはないが、この辺には是非慣れていただきたい。
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CGに関しては際限なく難しい問題を出題することも可能だが、試験範囲はあくまで参考図書としての「眼・色・光」から出題する。
少々リークしすぎたかもしれないが、あと一週間自分の知識を整理しておいていただきたい。
(2008年8月 研究調査部長 郡司秀明)
関連情報:
色評価士検定制度(2008年8月24日(日)試験)