印刷関連市場、資材統計から見る景況
市場動向
5 月の書籍雑誌推定販売金額前年比は△3.3 %で、3ヶ月連続の前年割れになった。書籍が△3.0%、雑誌は△3.5%であった。この半年は、以前に比べて書籍のマイナスが目立つ。金額だけでなく部数も不振である。昨年までは、売れ筋の主体が廉価本だから販売金額が下がっても部数ベースではプラスになるという傾向が見られたが、ここのところ必ずしもそうはいえなくなった。ケータイ小説や新書の売れ行きが鈍化してきていることが影響しているという。雑誌は、相変わらず厳しい。
5月の広告業売り上げ前年比は△2.7%で、4ヶ月連続の前年割れになった。相変わらずマス4媒体の不振が大きい。5月のマス4媒体の前年比は△7.4%、3ヶ月連続で7%以上のマイナスである。その中で、特に新聞が悪く、3月以降連続で2桁のマイナスになった。5月は雑誌も△15.3%で、近年では見られない大幅な落ち込みになった。SP関係はSP/PR/催事企画が1.1%増だが、他は全て前年割れである。その中で、インターネット広告は15.1%増と衰えを見せない。
仕事の状況
5月の一般インキの出荷販売量前年比は1.1 %増であった。3月の6ヶ月振りの前年割れから,4月は2.7%増、5月は1.1%増と回復した。5月は、主力の平版インキが3ヶ月ぶりにプラスに転じ2.5%増になった。シェア第2位のグラビアインキも1.7%増で順調であった。ただし、4月の6,4%に対しては小幅のプラスであった。昨年10月から続いている金属印刷インキは5月も12.4%増と大きく伸びている。逆に、フレキソは5月も△10.1%で5ヶ月連続のマイナスになった。
5月の印刷・情報用紙の出荷販売量前年比は8.8%増で大幅に前年を上回った。インキの動きと合わせて見ると、ここ2ヶ月は実需が増えていると見られるが、それは用紙価格値上げが確実と見られるなかでの駆け込み需要だろう。微塗工紙の前年比は4月の21.3%増に続く23.2%増、その他コート紙(8.9%増)、軽量コート紙(10.9%増)も異常な伸びになっている。フォーム用紙さえも10.4%増である。紙器関係は3%台で順調な伸びを示している。
(JAGAT info 2008年9月号より)
2008/09/22 00:00:00