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デジタル時代には動画がブレイクする

デジタル技術が,大容量かつ双方向型の情報伝達を可能にし,既存のメディアをはじめとしたあらゆるビジネスの仕組みに変容をもたらしている。その中でもまずWebサイトが,現代のメディアを代表するものとなった。
デジタル技術の発達とともに,Webサイトも進化し,文字・画像の二次元の世界から,フラッシュなどアニメ・音楽・動画など種類の異なる表現を加えてすべての情報を発信できるようになった。
このような流れの中で,ブロードバンド環境での動画コンテンツのニーズは着実に伸びてきていると言える。

動画活用の先駆けは音楽分野だろう。2003年1月,歌手の宇多田ヒカルが自身の20歳の誕生日に行った「UH LIVE STREAMING 20代はイケイケ!」のストリーミングライブには,100万のアクセスがあったという。また,マイケル・ジャクソンの公式サイトでは,動画によるディスコグラフィが公開されている。そこではプラットフォーム別の圧縮ファイルが用意されており,ユーザは自分の閲覧環境にあったファイルを選ぶことができる。

インターネット環境のブロードバンド化にともない、ファンがアーティストをより身近に感じるこのような機会は今後ますます増えていくはずである。このようにTVでは吸収しきれないマスのニーズに応えるリッチコンテンツの分野が形成されつつある。

一方最近では,携帯電話にもコンテンツや付属カメラとして採用され,動画はビデオ編集を大げさにしなくともどこでもハンドリングできる身近なコミュニケーションツールとなってきた。
Webでも動画の利用は非常に増加しており,ショッピングサイトでは,静止画で説明しきれない商品の使用例を動画で見せたり,マンションの眺望イメージを動画で伝えるなど,効果的なツールとして活用されている。

携帯電話にしろ,デジカメにしろ,世の中の変化は,あるとき突然ブレイクし,あっと言う間に広がるように思えるが,実はそれ以前に個人の中にそれらに対する「気分」に似た志向性は芽生えているのである。 一般的なシナリオとして,ビジネスの流れは,個人の気分が高まった後に起こる。そういう意味で,ブロードバンドの急速な普及と映像圧縮技術の進歩により,Webメディアに対する次の期待は,ストリーミングを始めとした動画活用にあると言えるだろう。

PRやWeb制作では,文字情報や画像と同じようにWebで動画を扱うことを避けては通れない。とりわけ,情報・出版・印刷などメディアビジネスに関連する企業にとって,ストリーミングを前提とした映像配信の制作からワークフローに関する基本的な知識をもっておくことは,ビジネスの成功を左右する鍵となるに違いない。

関連情報:メディア制作に求められる「動画活用」

2003/05/01 00:00:00


公益社団法人日本印刷技術協会