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外注にはどのくらい出していますか?

印刷界OUTLOOK2004(5)

2004年4月1日

●1社当たり約2億8570万円を外注に

全印工連「平成15年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」では,回答企業564社の1社当たりの2002年の純売上高は11億4408万円で,外注加工費が純売上高に占める割合は,25.0%(2億8570万円)となりました。印刷業は他製造に比べ,多くの加工を外注していることが分かります。
回答404社の外注加工費の内訳は印刷代が33.6%で最も高く,印刷会社の主要得意先が印刷会社ということを裏付けています。以下,製本・加工代が21.3%,その他17.0%,デザイン・イラスト・編集等10.6%,写真製版代9.8%と続きます。95年以降は組版代(2002年は増加),写真製版代は減少傾向にあります。これはDTP化によってこれらの工程がDTP制作の中に取り込まれてしまったことが原因と考えられます。
業態別では,出版印刷が印刷代32.3%,製本・加工代24.2%,写真製版代が14.3%,デザイン・イラスト・編集等3.9%です。商業印刷は印刷代33.4%,製本・加工代が18.8%,写真製版代が8.9%,デザイン・イラスト・編集等が13.8%です。出版印刷の場合は,得意先自体がデザインや編集を行うことが多いのに対して,商業印刷では企画・デザインから印刷会社が受注し,その機能を外部に求めるためと思われます。このほか事務用印刷での印刷代比率が58.0%と他業態に比べてその高さが目立ちます。

●外注費が高い出版印刷

純売上高から外注加工費,材料費,商品仕入れ代を差し引いた加工高では,1社当たり5億5331万円となりました。また,就業人員1人当たりの加工高は9053万円(前年9225万円)となりました。純売上高に占める加工高の割合は48.4%,商品仕入高も5.0%で前年と変わりませんでしたが,材料費は21.7%(前年20.9%)と0.8ポイント増加しました。材料費,外注加工費と商品仕入高が低く,加工高の割合が高いほど利益につながります。
回答518社の業態別外注加工費の割合では,トップは出版印刷で純売上高の33.9%,以下商業印刷の25.9%,総合印刷21.8%,事務用印刷20.2%,包装印刷19.4%の順です。出版印刷は他業種に比較して印刷,写真製版,製本など全般的に外注に頼る割合が高くなっています。


プリンターズサークル 2004年4月号より)

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2004/04/16 00:00:00


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