オフ輪はどのくらい設置されているのでしょう。日本印刷新聞社の調査によると,2003年の全国の中小印刷会社で稼働する商業・出版用オフ輪の状況は,設置会社数は435社,設置台数では1298台と確認されました(新聞用オフ輪は94社306台)。前回調査より,22台増加しました。回答辞退をした企業などもありますので,一概に増減の判断はできませんが,1999年以降の減少傾向が止まったようです。とはいえ,2000年の調査と比較すると商業・出版用では大きく減少しています。その理由として,メディアの多様化,多品種小ロット化,出版不況などによる出版部数の見直しなど,需要状況の変化などが考えられます。
判サイズ別ではB2判が,841台で64.8%のシェアを占めます。次がA1判で197台,B3判の143台と続きます。また年々多色機の比率が高まっており,全体の85.2%が4×4色機以上となっています。
都道府県別では埼玉が68社282台,大阪45社147台,愛知が30社93台,東京が25社92台,神奈川17社61台の順になっています。
経済産業省の「平成14年機械工業統計年報」によると,2002年の印刷機械の生産台数は3902台で,前年比10.7%減となりました。印刷機械の主力となる平版印刷機の生産台数は,前年比9.2%減の1571台,金額ベースでは同0.5%増の1459億3000万円でした。平版印刷機の合計の内訳を見ると,オフ輪の生産台数が前年比13.1%減の113台ながら,金額ベースでは1.3%増の602億6700万円です。枚葉印刷機の生産台数は前年比8.9%減の1458台,金額べースでは微増で856億6300万円となっています。オフ輪・枚葉とも生産台数は減っていますが,金額ベースで増えていることから多色・高機能の印刷機の需要が増えているものと推測されます。
DTP化の進展で電子組版機などの製版機械は大幅減が続いていましたが,2002年は前年比12.8%増で1万855台となり,減少傾向が止まりました。これはデジタル機器への転換が進み,CTPなどが普及し始めたためと考えられます。製本機械は前年比9.3%減の9836台,製箱,段ボール製造用などの紙工機械が同13.1%減の519台となりました。
(プリンターズサークル 2004年4月号より)
2004/04/25 00:00:00