経済産業省の「平成14年化学工業統計年報」によると,2002年の一般インキ(印刷インキの合計から新聞インキを除いたもの)の販売量は,前年比2.4%減の42万5865トンとなり,5年ぶりに減少しました。販売金額は前年比2.1%減の2951億3100万円で2年連続の減少です。近年,わずかながら販売量を伸ばしていましたが,インキにも景気不振の影響が現れたと言えます。
印刷インキの構成比を見ると,平版インキが32.5%,グラビア用インキ(2002年よりプラスチックフィルム印刷などで使用する特殊グラビアと出版グラビアインキが統合)が32.1%で,この2つで販売量の過半数を占めます。以下はその他インキ(2002年より凸版・凸版輪転インキはその他のインキに統合)12.7%,新聞インキ12%,金属印刷5.4%,樹脂凸版インキ(2002年ゴム凸版から名称変更)が5.2%となります。10年前の1992年と比較すると,平版インキの占める割合が6ポイント伸び,新聞インキは0.4ポイントの増加,その他インキが3.2ポイント増と割合を伸ばしています。逆にグラビアインキが3.8ポイント減,樹脂凸版インキが0.2ポイント減,金属印刷インキ5.7ポイント減と大きく減少しています。
全印工連の「平成15年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によると,平成15年度の材料費のうちインキ代の占める割合は,7.4%(前年7.3%)となっています(回答398社)。
一般インキ品目別出荷量の販売数量上位3品目を見ると,平版が販売数量15万7418トン(前年比2.0%減),販売金額が1114億4300万円(同4.4%減),グラビアが販売数量15万5510トン(前年比2.2%減),販売金額706億4100万円(同0.2%減),その他のインキが販売数量6万1256トン(同0.6%増)販売金額705億8200万円(2.8%増)となりました。
新聞用は年々増加傾向にありますが,新聞広告を中心にカラー化が増えていることなどが理由として推測されます。
白黒写真フィルム(印刷・業務用:2002年より映画用フィルム,ロールフィルム,特殊フィルムが統合)の販売量は,9835.1万m2(前年比19.9%減)となっています。
(プリンターズサークル 2004年4月号より)
2004/04/28 00:00:00