書籍・雑誌の販売額は減少傾向にありますが,2003年も前年比3.6%減で7年連続のマイナス成長となり,前年の0.6%減から減少幅も増えました。
全国出版協会・出版科学研究所の『出版月報』2004年1月号によると,2003年の書籍の推定販売部数は,前年比3.1%減の7億1585万冊となりました。
推定販売額は9056億円で前年比4.6%減となり,前年の微増から一転大幅減となりました。これは前年にあった,比較的高価な『ハリー・ポッター』シリーズなどの大ベストセラー商品の反動が要因と思われます。
一方,雑誌の推定販売部数は30億7612万冊で,前年比で4.4%の減少となりました。月刊誌は2.6%減の19億4898冊で,20億冊の大台を割りました。週刊誌は前年比7.3%減の11億2714万冊となりました。雑誌全体の販売金額は前年比2.9%減の1兆3222億円で,その内訳は月刊誌が2.1%減の9983億円で,週刊誌は5.3%減の3239億円となりました。書籍と雑誌の合計では,前年比3.6%減の2兆2278億円で1997年以降7年連続で前年比割れです。
消費の低迷,インターネットや携帯電話,テレビの多チャンネル化,メディア多様化などが,書籍・雑誌の需要に影響を与えていると言われています。また,流通の部分では「新古書店」の利用などが高まっていることも,販売数に影響していると言われています。今後は,少子・高齢化などの影響で出版市場の減少はますます進むと予想されます。一方,ブロードバンドが普及,電子書籍用端末の発売などで,コンテンツ配信ビジネスとしての電子本(eBook)の動向なども注目されます。
2003年の書籍の新刊点数は,7万2608点と前年比0.8%の増加です。新刊1刊当たりの推定発行部数は前年比で5.2%減で約5500冊となり,1点当たりの発行部数は減少傾向にあります。新刊平均価格は1213円と初めて1200円台を突破しました。雑誌の創刊点数は前年より10点増加して207点,休・廃刊は7点増加して159点となりました。月刊誌の平均価格は527円,週刊誌289円と,それぞれ前年より0.8%,2.1%増加しており,発行部数の減少を価格アップで対応しようという傾向にあるようです。
(プリンターズサークル 2004年4月号より)
2004/05/03 00:00:00