電通の「平成15年日本の広告費」によると,2003年の日本の総広告費は,前年より0.3%減の5兆6841億円となり,3年連続の減少となりました。電通では,2003年前半はイラク戦争,SARS,金融不安,前年のワールドカップ関連広告の反動などの影響を受けて前年比で減少しましたが,後半は日本経済の景気回復傾向とデジタル家電の需要拡大で増加に転じたとしています。マスコミ4媒体の広告費合計は,前年より0.3%減少して3兆5822億円となりました。内訳は4媒体の中で最も減少した新聞が前年より1.9%の減で1兆500億円,テレビは0.7%増の1兆9480億円と3年ぶりに増加しました。雑誌が0.4%減の4035億円,ラジオが1.6%減の1807億円です。雑誌広告では女性誌,ティーン誌が好調で,パソコン誌,番組・都市型情報誌が不振でした。
DMや折り込み,POPなどのSP(販売促進)広告費は1兆9417億円で,前年より2.0%減となりました。内訳は,このところ好調だったDMも前年比3.0%減の3374億円と2年連続の減少,一方で折り込みは増加に転じ同1.0%増の4591億円となりました。屋外が同9.4%減の2616億円,交通が1.0%増の2371億円となりました。POPが同0.3%増の1725億円で,SP広告費の中で唯一2年連続の増加となりました。このほか展示・映像他が1.9%減の3216億円,電話帳が2.2%減の1524億円となっています。
このほかでは,衛星メディア関連広告費(衛星放送,CATV,文字放送など)は前年比1.4%減の419億円となりました。インターネット広告費は1183億円(うちモバイル広告費は100億円)で前年比40.0%増と,ブロードバンド化の普及によるユーザ拡大で再び伸び率が上がっています。
広告主の業種別広告費(マスコミ4媒体のみ)では,デジタルカメラの広告が活発な「精密機械・事務用品」(前年比11.7%増)と,携帯電話やパソコンの「情報・通信」(同15.7%増)が大幅に伸びました。このほかに「教育・医療サービス・宗教」(同6.8%増),2年連続増でマスコミ各媒体で伸びた「化粧品・トイレタリー」(同3.0%増)などが増加業種で,「食品」(4.7%減),「飲料・し好品」(同4.4%減)などの業種が減少しました。
(プリンターズサークル 2004年4月号より)
2004/05/05 00:00:00