印刷・製本業は,経済産業省の商務情報政策局文化情報関連産業課の所轄です。旧通産省では生活産業局紙業印刷課の所轄で,印刷関連業界だけでした。しかし文化情報関連産業課には,印刷・製本業のほかゲーム用ソフトウエア,映画・映像産業,レコードなどの音楽産業,広告代理業などのコンテンツおよびその加工をする産業が属します。印刷業はデジタル化で得たメリットを生かし,単に紙へ印刷するだけから,情報を加工してさまざまなメディアにアウトプットできる産業への脱皮が求められていると言えます。参考に同じグループであるゲーム業界とレコードなど音楽産業を見てみます。
社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の「2003CESAゲーム白書」によると,2002年1〜12月までのソフトウエアとハードウエアの総出荷額は1兆2624億円で,前年比13.4%減となりました。このうちソフトウエアの国内外を合わせた総出荷額は,4747億円(前年:5174億円)で,国内は2492億円(同2642億円)となっています。近年,国内のゲームソフト市場は縮小傾向にあります。この原因として,インターネット,携帯電話,DVDの普及などエンターテインメント系デジタルコンテンツの多様化や,ゲーム内容の複雑化によるライトユーザのゲーム離れが言われています。
2003年のレコード生産実績は,日本レコード協会によると,同協会加盟24社(受託販売も含む)のオーディオレコード,ビデオを合わせた総生産数量は,4億4862万枚・巻(前年:4億982万枚・巻),総生産金額は5742億円(同5790億円)となっています。オーディオレコードとは,コンパクトディスク,アナログディスク,カセットテープその他となります。コンパクトディスクの数量が3億1527万枚(前年比4.2%減),金額で3880億円(同10.1%減)で,アナログディスクは58万枚(同17.1%減),金額7億円(同12.5%減),カセットテープは1173万巻(同9.6%減),金額では99億円(同6.4%減)となっています。ビデオとはDVDやLD,テープなどで,生産量は1億2023万枚・巻(同78.2%増),金額で1745億円(同28.4%増)となっています。全体でDVDのみが販売・金額とも伸びています。
(プリンターズサークル 2004年4月号より)
2004/05/16 00:00:00