日本経済は,バブル経済崩壊以降の長い景気低迷,グローバリゼーション進展による国際競争の激化,選択と集中による業界再編の流れなどにより,国内の全製造業の企業数は,減少傾向にあります。
経済産業省の「平成15年工業統計表 産業編」(概要版)によれば,2003年の全製造業の事業所数は2000年の調査から14.4%減少して,50万4530社となりました。10年前の1993年と比較すると27.5%減で,19万1560社も減少しています。毎年1万9000社以上が減り続けたことになります。
印刷業では2003年に2万7106社となっており,1993年に比較すると17.6%減で5775社の減少となっています。印刷業も厳しい状況にありますが,ほかの製造業に比較すると減少幅が少ないようです。従って,全製造業に占める印刷業の割合は,93年の4.7%から5.4%へと増加しています。
製版業の事業数を見てみると2003年には2950社となり,2000年と比較して30.1%の大幅な減少で1268社も減少しました。1993年は6320社でしたから,この10年で3370社と,大幅な減少(53.3%減)です。
製版業が印刷業に比較して減少率が高いのは,デジタル技術の進展により,DTP/CTPが印刷業に浸透した影響と考えられます。1998年から2000年にかけての減少率(23.2%減)より,今回の減少率のほうがより深刻化しています。
製本業は2003年には2396社で,1993年と比較すると534社の減少(18.2%減)となりました。デジタル化よりも,印刷業の低迷が影響しているものと考えられます。
印刷産業全体では,2003年は3万4940社で,2000年の4万3532社より,8592社減少(19.7%減)となっています。
印刷業の規模別構成比(2002年)を見ると,従業員10人未満の企業が全体の76.8%を占めています。
また,従業員100人以上の企業は393社であり,全体の1.4%に過ぎません。この構成比は企業数ほど変わらずほぼ一定であり,印刷業は中小主体となっていることが分かります。
(プリンターズサークル 2005年4月号より)
2005/04/08 00:00:00