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1人が1年間に売り上げる額は?

印刷界OUTLOOK2005(3)

2005年4月1日

●印刷業の売上高は10年前の水準を下回る

経済産業省の「平成15年工業統計表 産業編」(概要版)によれば,2003年の印刷業の売上高(製造品出荷額等)は,6兆5085億円と,2000年との比較では,5727億円のマイナス成長で,8.1%落ち込んでいます。また,10年前の1993年との比較でも11.7%落ち込んでいます。1998年には,10年に一度の調査対象の見直しの年ということもあって一時持ち直したものの再び減少に転じ,2003年は厳しい状況であると言わざるを得ません。
全製造業の売上高は,276兆2302億円で,2000年に比べ9.0%の落ち込み,10年前に比べ12.2%の減少となっています。製造業全体から比べると,若干ですが印刷業の落ち込みは緩和されています。
一方,製版業では,2003年の売上高は5416億円で2000年に比べ888億円,率にすると14.1%のマイナス,10年前の1993年に比べ23.1%のマイナスです。また製本業では,2003年の売上高は2271億円で2000年に比べ361億円,率で13.7%の減少,10年前との比較では19.6%のマイナスとなっており,全製造業に比べ大幅な悪化であり深刻な状況です。

●印刷業の1人当たり売上高は2066万円

同統計表から,1人当たり売上高(製造品出荷額/従業員数)は,2003年に印刷業で2066万円,これは2000年に比べ1.0%の減少,10年前1993年に比べ5.2%の増加となっています。全製造業では,3190万円で前回から1.9%,10年前から16.3%,いずれも増加しています。印刷業における自動化,合理化による,一層の生産性向上が必要と思われます。
また製本業では2000年に比べ6.5%の減少,10年前に比べ6.1%減少と,製造業全体より悪化しており,印刷業における低価格化傾向による売上高の落ち込みをそのまま反映する結果となっています。
一方,製版業では,2003年の1人当たり売上高は1419万円となり,10年前の1993年と比較して23.5%の増加,2000年に比べ5.1%の増加となっています。これは売上高の減少以上に,従業員数の減少が大きく,その結果,見かけ上増加していると思われます。


プリンターズサークル 2005年4月号より)

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2005/04/15 00:00:00


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