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どんな得意先が多いのでしょうか?

印刷界OUTLOOK2005(4)

2005年4月1日

●得意先上位は卸売・小売・飲食店,印刷

全印工連「平成16年度 印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によれば,2003年の中小印刷業が受注した先の業種別売上高順位は,全国的には,卸売・小売・飲食店が15.0%(前年比0.7ポイント増)を占めトップとなっています。2位は印刷業で11.9%(同0.9ポイント増),以下新聞・出版10.7%(同0.3ポイント増),その他製造業10.0%(同3.2ポイントの大幅増),広告・放送情報サービス9.4%(同0.4ポイント減),官公庁7.1%(同0.2ポイント減),その他サービス業6.9%(同2.0ポイント減),となっています。卸売・小売・飲食店は1994年以降ずっとトップを占め,近年上位業種の顔ぶれは,3位までほぼ定着しています。
なお,今回,「その他製造業」の大幅な増加が見られ,自動車産業を始めとして,製造業による景気回復けん引の一端をうかがわせていると思われます。逆に「その他サービス業」が,大きく低下しており,中小サービス業の足並みが景気回復速度にそろわず,相対的に後退したものと思われます。

● 地域によって変わる上位業種の顔ぶれ

以下は,中小印刷業の地域別上位得意先業種です。

・北海道:卸売・小売・飲食店(33.1%),印刷(13.8%),学校・各種団体(11.3%)
・東北:卸売・小売・飲食店(16.8%),広告・放送情報サービス(14.0%),官公庁(13.1%)
・関東甲信越静:卸売・小売・飲食店(21.3%),その他製造業(10.5%),官公庁(9.0%)
・東京:新聞・出版(19.0%),その他製造業(16.1%),印刷(15.4%)
・中部:卸売・小売・飲食店(15.4%),食料品(13.2%),印刷(10.4%)
・近畿:卸売・小売・飲食店(14.5%),その他製造業(13.8%),食料品(11.7%)
・中国:卸売・小売・飲食店(17.5%),印刷(13.6%),広告・放送情報サービス(11.0%)
・四国:卸売・小売・飲食店(24.3%),印刷(20.3%),新聞・出版(12.1%)
・九州:卸売・小売・飲食店(22.1%),新聞・出版(14.0%),広告・放送情報サービス(13.0%)

東京は地場産業とも言える新聞・出版がトップに返り咲きました(前年は「その他サービス業」)。大都市圏には民間企業が集中し,一方,地方では比較的官公庁が上位に来る傾向があります。


プリンターズサークル 2005年4月号より)

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2005/04/21 00:00:00


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