全印工連「平成16年度 印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」によれば,回答企業532社の1社当たりの2003年の純売上高は11億6230万円で,外注加工費が純売上高に占める割合は,24.6%(2億8637万円)となっています。印刷業では,ほかの製造業に比べ,多くの加工を外注化しています。
回答387社の外注加工費の内訳は,印刷代が34.6%(1億754万円)で最も高く,印刷会社の主要得意先が印刷会社であることを裏付けています。次いで,製本・加工代23.6%,その他16.1%,デザイン・イラスト・編集等10.8%,写真製版代8.6%と続きます。
印刷代,製本・加工代は増加傾向,一方,写真製版代(8.6%),組版代(4.0%)は,減少傾向にあります。これは,DTP/CTP化が浸透し,写真製版や組版自体の売り上げが低下したため,それに伴い外注費も減少することによって,相対的に印刷代,製本・加工代の外注に占める割合が増加したことが原因と考えられます。
業態別では,純売上高に占める外注費の割合で見た場合,出版印刷35.0%が最も高く,その内訳は,印刷代31.0%,製本・加工代22.6%,写真製版代12.7%,組版代9.8%です。次いで,商業印刷25.3%となっており,その内訳は,印刷代37.9%,製本・加工代22.2%,デザイン・イラスト・編集等13.6%,その他12.2%です。さらに,総合印刷23.8%が続き,内訳は,印刷代31.9%,その他27.5%,製本・加工代19.6%,となっています。
加工高(純売上高から外注加工費,材料費,商品仕入代を引いたもので,企業の創出した付加価値と見なし得る)は,1社当たり5億5358万円で,純売上高に対して占める割合は,47.6%(前年48.4%)である一方,材料費は21.7%(前年21.7%),商品仕入高6.1%(前年5.0%),などとなっています。前年に比べ加工高の純売上高に占める割合は低下傾向を示しています。
この原因として,外注加工費の割合24.6%(前年25.0%)が,0.4ポイント低下したにもかかわらず,商品仕入代が1.1ポイント増加することで,総じて加工高が低下傾向を示していると思われます。
(プリンターズサークル 2005年4月号より)
2005/04/24 00:00:00