経済産業省の「平成15年化学工業統計年報」によると,2003年の一般インキ(印刷インキの合計から新聞インキを除いたもの)の販売量は,前年比1.7%増の43万2902トンで,5年ぶりに減少した2002年から,再び増加に転じました。
販売金額は前年比0.8%増の2974億4900万円で3年ぶりに増加しました。
印刷インキの構成比を見ると,平版インキが34.2%,グラビア用インキ(2002年よりプラスチックフィルム印刷などで使用する特殊グラビアと出版グラビアインキが統合)が31.7%で,この2つで販売量の過半数を占めます。以下はその他インキ(2002年より凸版・凸版輪転インキはその他のインキに統合)12.4%,新聞インキ11.7%,金属印刷4.9%,樹脂凸版インキ(2002年ゴム凸版から名称変更)が5.2%となります。10年前と比較すると,平版インキの占める割合が7ポイント増で,年々割合を上げています。新聞インキは1.1ポイントの増加,その他インキが2.7ポイント増です。逆にグラビアインキが4.4ポイント減,樹脂凸版インキが0.3ポイント減で,金属印刷インキ6.1ポイント減となりました。
全印工連の「平成16年度印刷業経営動向実態調査集計結果報告書」では,材料費のうちインキ代の占める割合は,7.6%(前年7.4%)となっています(回答392社)。
一般インキ品目別・販売数量上位3品目を見ると,平版が販売数量16万7656トン(前年比6.5%増),販売金額が1119億1800万円(同0.4%増),グラビアが販売数量15万5345トン(前年比0.1%減),販売金額722億1200万円(同2.2%増),その他のインキが販売数量6万715トン(同0.9%減),販売金額766億9700万円(3.0%増)となりました。カード印刷などに使用されるその他のインキは増加傾向にありましたが,2年ぶりに減少しました。平版は増加傾向にあり,この10年で52.8%伸びました。新聞印刷も新聞広告費の減少の影響からか2003年は減少しました。
白黒写真フィルム(印刷・業務用:2002年より映画用フィルム,ロールフィルム,特殊フィルムが統合)の販売量は,1億3.3万m2(前年比1.7%増)となっています。
(プリンターズサークル 2005年4月号より)
2005/05/04 00:00:00