電通の「平成16年日本の広告費」によると,2004年の日本の総広告費は,前年より3.0%増の5兆8571億円となり,4年ぶりに増加しました。
電通では,その要因として2004年は日本の景気回復を背景に,アテネオリンピックや猛暑などがプラス材料になったとしています。
マスコミ4媒体の広告費合計は,前年より2.6%増加して3兆6760億円となりました。内訳は2年連続で増えたテレビが4.9%増の2兆436億円と好調でした。新聞は0.6%増で1兆559億円と4年ぶりに増加,雑誌は1.6%減の3970億円,ラジオが0.7%減の1795億円でともに4年連続の減少となりました。雑誌広告では,ヤングアダルト男性誌,ビジネス・マネー誌が増加し,女性誌,番組・都市型情報誌が減少しました。
DMや折り込み,POPなどのSP(販売促進)広告費は1兆9561億円で,前年より0.7%増となりました。内訳は,DMが前年比0.9%減の3343億円と3年連続の減少のほかは,折り込みは同3.8%増の4765億円,屋外が同1.9%増の2667億円,交通が0.5%増の2384億円,POPが同1.2%増の1745億円,展示・映像他が3.1%増の3315億円と前年を上回りました。このほかでは電話帳が11.9%減の1342億円と大きく減っています。DMについては郵送料ベースのため,近年増えている宅配業者などによるメール便などの利用を考慮すると一概に減少しているとは言えません。このほかでは,衛星メディア関連広告費(衛星放送,CATV,文字放送など)は前年比4.1%増の436億円となりました。インターネット広告費は1814億円(うちモバイル広告費は180億円)で前年比53.3%増と大きく増加して,ラジオを上回りました。インターネットは接触時間がテレビの次に多く,従来メディアと連動する活用などクライアント側のインターネット広告に対する位置付けが高まっているようです。
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広告主の業種別広告費(マスコミ4媒体のみ)では,21業種中16業種で増加し,「金融・保険」「家電・AV機器」「飲料・嗜好品」「化粧品・トイレタリー」などが伸び率が高く,「食品」「趣味・スポーツ」「情報・通信」「官公庁・団体」「薬品・医療用品」が減少しました。
(プリンターズサークル 2005年4月号より)
2005/05/12 00:00:00