ブロードバンドや利用者の普及に伴いインターネットが一般化する中、インターネット広告への出稿も増加している。電通の発表では、2004年の広告費においてはインターネットがラジオを抜いたと報じられた。
ネットマーケティングは従来のマスメディア(TV、新聞、ラジオ)では出来なかった世界を実現でき、費用対効果の大きいものとして位置づけられている。メリットのひとつは、例えばある商品のカタログを請求したお客様の行動分析が可能になったことである。カタログを手にした後、商品購入の有無、使用後の感想まで追跡することができるようになることは、マーケティングの費用対効果(ROI)がガラス張りになったことを意味する。
広告を出す側の動向として最大手の自動車メーカーは、インターネット広告とのクロスメディア戦略は必須であるという。また、これまで広告に多くの予算を取れなかった中小企業も検索エンジンマーケティング(SEM)やアフィリエイト、ブログ、メールなどの手法やツールが登場したことで、大企業であろうと、中小企業であろうとネットマーケティングの世界に入らざるを得なくなった。
インターネットは、マスメディアの「上から下の一方通行」を「出会いの場=コミュニティ」に変えた。ネットマーケティングはこの出会いの場をどう演出するかがポイントであり、大企業も、中小企業も、個人も、ネットの世界で自分の存在をどう見せるかが問われている。これからの時代は、インターネット広告の様々な手法を利活用し、コミュニティを通して横に繋がっていける企業が生き残っていくのである。
ここでは、インターネット広告の仕組みと現状を理解し、これからのマーケティングにおいて企業が生き残り、ビジネスチャンスを拡大するためのヒントを探る。
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