印刷・製本業は,経済産業省の商務情報政策局文化情報関連産業課の所轄です。旧通産省では生活産業局紙業印刷課の所轄で,印刷関連業界だけでした。しかし文化情報関連産業課には,印刷・製本業のほかゲーム用ソフトウエア,映画・映像産業,レコードなどの音楽産業,広告代理業などのコンテンツおよびその加工をする産業が属します。印刷業は製造業ですが,単に紙へ印刷するだけから,情報を加工してさまざまなメディアにアウトプットできる産業への脱皮が求められていると言えます。参考に同じグループであるゲーム業界とレコードなど音楽産業を見てみます。
社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)の「2004CESAゲーム白書」によると,2003年1〜12月までのソフトウエアとハードウエアの総出荷額は1兆1344億円で,前年比10.1%減となりました。このうちソフトウエアの国内外を合わせた総出荷額は,4229億円(前年:4747億円)で,国内は2306億円(同2492億円)となっています。近年,国内のゲームソフト市場は縮小傾向を見せていますが,この出荷実績に含まれていないオンラインゲームや携帯電話ゲームコンテンツなどを含めないと正確な市場規模を把握しにくくなっているようです。実際,ゲーム参加者は推定で前年より37.6%増加して3444万人になっています。
2004年のレコード生産実績は,日本レコード協会の調査によると,同協会加盟24社(受託販売も含む)のオーディオレコード,音楽ビデオを合わせた総生産数量は3億4745枚・巻(前年:3億6057万枚・巻),総生産金額は4313億(同4562億円)となっています。オーディオレコードとは,コンパクトディスク(CD),アナログディスク,カセットテープその他となります。CDの数量が3億0226万枚(前年比4%減),金額で3686億円(同5%減)で,アナログディスクは89万枚(同54%増),金額5億円(同23%減),カセットテープは900万巻(同23%減),金額では74億円(同25%減)となっています。音楽ビデオとはDVDやLD,テープなどで,生産量は3477万枚・巻(同8%増),金額で539億円(同5%減)となっています。
(プリンターズサークル 2005年4月号より)
2005/05/22 00:00:00