デジタルプリント市場が着実に成長している。この市場を支える技術の特長は,無版で高速の大量可変印刷を可能にする点にある。しかし例えば,単に宛名ラベルを大量に打ち分けるだけなら,ただ便利になっただけで顧客にとって価値がない。デジタルプリントの特長をマーケティングと結びつけたとき,顧客の戦略を支える重要な印刷技術として初めて付加価値を生む。従って印刷会社は,顧客に一定の発言力と価格交渉力を持つことになり,競争分野を非価格領域に移行させることができる。
ジェイスは,Xerox iGen3を24台投入したプリンティングセンターを新設,業界初となる請求明細書の全面フルカラー・オンデマンド化を実現した。CRMによる顧客情報のきめ細かな分析結果に基づき,さらに充実した1 to1マーケティングを実現している。
サンプリンティングシステムは,学習塾経営から派生した会社で,バリアブル印刷を生かしたブライダル関係に強みを持つ。式場の平均招待客数の増加を図る,温もりあるバリアブル印刷のアイデアは,顧客から高い評価を受けている。
両社は,印刷物に付加価値を上乗せできる独自の市場や考え方を有する点で共通する。今回のセミナーでは,これからのデジタルプリント事業を考えるうえで基礎となる現状と課題について,実際に事業展開する2社から話を聞く。
|