デジタルシネマとは、撮影から上映まで一貫してデジタル処理を行うことであるという考え方が定着しつつあり、近年ハリウッドを中心にその標準化が進められている。
一方、国内ではコンテンツ産業振興に向けた政策を始めとし、ブロードバンド市場の開拓や人材育成プログラムの実施が行われるなど、国際競争力の強化が図られている。そしてデジタルシネマの標準化の動きが各方面で起こっており、慶応義塾大学のデジタルシネマは、世界に通用する最新機材を備えた施設として2005年4月に完成したものである。同施設には、オリンパスの高精細ビデオカメラ、ソニー製の4096×2160画素の液晶パネルを搭載したプロジェクタ、JPEG2000デコーダなどが備わっており、ヨーロッパや米国と比較してもこれらの機材を常設しているデジタルシネマ上映施設は世界初とされている。そして同施設では各キャンパスを結ぶ40Gbpsのネットワークを利用して、大容量コンテンツのネットワーク実験や品質評価実験が行えることが特徴であり、慶応義塾大学はこれらの設備によりデジタルシネマ関連の研究を行っていく。
通信&メディア研究会では、技術開発に伴う制作サイドからの標準化の動きとして最新技術を備えるデジタルシネマ施設を見学し、ブロードバンドの先にあるデジタルコンテンツ制作の未来像を考察する。
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