あらゆる分野で電子情報を共有し活用することが求められるようになった。たとえばWordやExcel等のアプリケーションデータや独自の形式でドキュメントを管理し,共有するシステムもある。
しかし,Webを利用した情報発信や容易な検索,円滑なデータの2次利用のためには,アプリケーションに依存しない,独立性の高い形式でのデータ管理が必要となる。これを実現するために,XMLによるデータ管理を採用することが広まりつつある。Microsoft WordやAdobe InDesignなど主要なドキュメントアプリケーションでも,XMLでのデータ保存や,XMLデータとの連携機能が重視されるようになっている。
■ドキュメント管理の現状とXMLの可能性
XMLによるドキュメント管理のあるべき姿として以下が挙げられる。
1.オープンスタンダード化,独自のファイル形式からXML形式への移行
情報の資産性とはデータをRichに保つことで,アプリケーションの機能に依存しないことである。また,これまでアプリケーションは独自のファイル形式を使うことが常識だったが,これからはXMLを全面採用しボキャブラリを公開する動きが一般化する。MicrosoftもOfficeのXMLスキーマを公開している。
過去のデータを扱う場合には,アプリケーション独自のファイル形式を否定することは出来ない。その場合は,独自形式のファイルをXMLタグでラッピングして管理・検索出来るようにする手法が一般的となる。
2.重要性を増すメタデータ
メタデータとは,データの中身を見ないでそのデータが何かを表わすことができる属性情報である。情報を資産として扱う際には,管理と検索が重視されるため,データそのものによる検索よりも,メタデータによる検索が重要視される。
3.これからの情報管理
情報の漏洩や改ざんを避けるため,暗号化・権限管理・個人認証が重要になってくる。特定のファイルを削除,公開,変更,参照する権限や履歴を正しく管理する必要がある。
印刷業としてXMLに取り組む
一般ユーザにとって,XMLは裏方の技術となり特にXML技術も意識することも不要な時代となる。しかし印刷業がデジタルコンテンツのプロとしてXMLを扱うには,文書モデルの構築,文書の構造化,見映えのマッピング,DBとの連携等さまざまなXML技術を理解しなければならない。
2005/06/16 00:00:00