カラーマネジメントの標準化動向 研究会速報
富士ゼロックス株式会社 開発管理本部 技術企画部 プロフェッショナル 仲谷 文雄 氏
■色についての国際標準化動向
国際標準化動向として,IEC TA2,TC130,TC42,ITU,SMPTE DC28,IEC,CIE,EK,ISO/IEC JTC1 SC28などの団体から活動状況等の報告がある。これらのシンポジウムでは,各団体の行っている活動を知ることができる。
CIE第8部会(Division8)とは,1998年9月に開催され,たCIE会合で新しく設けられたものであり,異なる複数の機器間でのカラーマネジメントを行う上で必要なルールーについて検討している。
(1)TC8-01「カラーマネージメント応用のための色の見えモデル」
(2)TC8-02「ピクトリアル画像における色差」
(3)TC8-03「色域マッピング」
(4)TC8-04「複数照明下における順応」
(5)TC8-05「カラー情報のコミュニケーション方法」
(6)TC8-06「画像技術の用語」
(7)TC8-07「マルチスペクトルイメージング」
(8)TC8-08「空間的な見えモデル」
■カラーマネジメントの課題と対応
カラーマネジメントの目的は,例えばCRTの見た目の色(LCH)とPrintの見た目の色(LCH)を一致させることにあるが,Gamutの違いによりこれができないため,見た目が一番近くなるようにする(rendering intent)ことである。
RGB,XYZ,L*a*b*,LCH,CMYKの違いは,RGBやCMYKはデバイスのデジタル信号量を表し,LCHは見た目の色Color Appearance representation,XYZ,L*a*b*は測色値Colorimetric representationを表している。
カラーマネジメントの課題として,見た目の色一致と観察条件がある。ディスプレイのホワイトポイントやさまざまな照明光源の違いがある。オフィス環境の照明光源は,現状D50を想定しているが,今後5〜10年程度で蛍光灯からLEDに移行することが考えられる。
好ましい色再現と標準色信号を考えたとき,色に対する補正方法は個々の企業のノウハウがあったり,国,民族,地域によって好ましい色,すなわち記憶色は違う。したがって,標準色信号に付加情報を加えたり,複数の標準色信号を設ける等が必要になる。
専門知識を持たないユーザのために色変換などの自動化や色に関しての蓄積情報の共有化が重要になる。また,色について差をつけるなど競争の部分と,差をなくす共有化の部分が相反する点である。
2005/09/19 00:00:00