フリーペーパーのタイプ・対象は非常に多様だが,例えば新聞タイプのフリーペーパーはこの5年間,紙数で8割,発行部数で6割増加した。年間発行部数はすでに雑誌の年間発行推定部数を上回り,折込チラシ枚数とほぼ同程度の供給量になったと見られている。
市場規模算出は非常に困難だが,推定で年間2,000億円前後と言われ,その規模はラジオや折込広告市場に匹敵,無視できないメディアのひとつとして,その地位を確立しつつある。
現在,日本に無料日刊紙はないが,試行的に「TOKYO HEADLINE」が発行されていたことは記憶に新しい。しかし世界では,スウェーデン生まれのフリーペーパー「メトロ」が欧州を始め,米国・南米・アジアの世界17ヵ国に進出,700万部を発行している。
また,ノルウェー発の「20ミニッツ」は,クオリティ重視の紙面づくりで高い評価を受けている。イギリスでは,有料紙が対抗して無料紙市場へ参入するなど,市場競争が激しくなってきている。
今回のミーティングでは,日本はもとより世界各地のフリーペーパー発行人に取材し,自らも有力有料紙の総合研究本部でフリーペーパーを精力的に取材・調査する稲垣氏に,世界各地と日本のフリーペーパーのこれまで及び最新動向と,今後の展望について聞く。
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