情報誌の出版・制作では,従来,大量データを短期間に処理するためのデータベースパブリシングや自動組版システムを構築し,制作効率化を図ることが最重要課題であるとされていた。しかし,デジタル化の進展により,このようなシステムはほぼ実現している。
最近では,出版社や情報誌発行会社でも,組版レイアウトだけでなく,制作ワークフロー全体の効率化を求めるようになっている。
通常,これらの会社では広告販売部門と編集・制作部門が協働しているが,部門間の連絡や確認のための待ち時間やタイムロスが,全体の効率を妨げていることも少なくない。
台割・進行管理システムによって,このような部門相互,または印刷会社との情報共有を実現することが可能となる。発行媒体の管理情報,台割・ページ情報,編集・制作担当者,進捗状況などの情報を共有することで,無駄な待ち時間を無くし全体ワークフローを効率化することができる。
さらに,先進的な出版社では,台割・進行管理システムと原価管理・広告管理システム等との連動により,損益管理と連動する仕組みの構築へと進みつつあると言う。出版業務における関係部門のコスト意識の徹底や経営効率化を図ることを目指している。
本ミーティングでは,情報誌制作における台割・進行管理システムの現状と経営効率化の実現について考察する。
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