第46期DTPエキスパート認証試験と新出題項目
第46期DTPエキスパート認証試験(2016年8月21日(日)実施)では、新出題項目として以下の6項目を予定している。
DTP(組版・レイアウト)、印刷の基本を再確認する(C1:DTP概論)
印刷業界では独特な業界用語を用いることが少なくない。例えばかつての活字組版や写植用語、フィルム製版に由来する言葉が、実体がなくなった今でも用語として残っていることがある。その由来や現在の意味を正しく理解しているかを問う。
また、主要アプリケーションの基本的な機能や操作を正しく理解しているかどうかを問う。
印刷物制作の品質管理、ミス防止(C1:DTP概論)
大量データ、大量ページの印刷物を製作する際、最も注意を払わなければならないことの1つが事故防止である。
例えばデータの差替えや追加が大量になるとミスを誘発しやすい。また、作業関係者が多数になると、連絡ミスや確認漏れが発生しがちである。
昨今では、ミスを防止するための検版システムやワークフローが導入されることもある。ミスを防止し、信頼性の高い印刷物製作を行うための手段と方策について問う。
色校正の現状と印刷物のカラートラブル対策(C1:DTP概論)
昨今のオフセット印刷の色校正事情は大きく変貌した。
フィルム製版からCTPに移行した頃から、平台校正の比率は下がり、プリンタープルーフ、DDCPと呼ばれる専用紙タイプ、本機校正などが使い分けられるようになった。
その後、カラーマネジメントの理解が深まり、Japan Colorなどの印刷標準が普及したこと、高品質化が進んだことなどにより、プリンタープルーフが一般的になった。
色校正の現状と進化、印刷物のカラートラブル防止策について問う。
印刷物制作と制作指示書における留意事項(C1:DTP概論)
DTPエキスパート試験では、実技課題として与えられた素材とテーマに従った印刷データ制作と制作指示書作成を課している。
印刷データ制作と制作指示書で誤り易い事項や、留意すべき事項についての知識を問う。
偽造防止技術とセキュリティ(C3:印刷技術)
印刷技術の応用範囲の一つとして、古くから偽造防止の分野がある。代表的なものとして紙幣における偽造防止策などが有名である。
近年では特殊な2次元コードを印刷することにより、トレーサビリティを確保する技術や、複製を防止する技術が実用化されている。
偽造防止技術に関する知識を問う。
データの保存(サーバー、クラウド)とバックアップ(C4:情報システム)
かつては印刷会社においても大規模なサーバー環境を構築するケースが多かった。
現在ではデータのセキュリティ保持や万一の事故や災害に備えるためのバックアップの重要性が非常に高くなっている。そのため、顧客の貴重なコンテンツやデータを預かる印刷会社の責任も大きくなっている。
より信頼性が高く、コストパフォーマンスの良いクラウド環境を使用するケースも増えている。
印刷会社にとって信頼性の高いデータ保存やバックアップ環境をどのように構築すべきかを問う。
マーケティングとDM・デジタル印刷連動(C5:コミュニケーション)
デジタルマーケティングの進展により、非マスへのマーケティングが実用化されつつあり、CRM(Customer Relationship Management)の重要性も、広く認知されるようになってきた。
例えば百貨店やスーパー、量販店、飲食店などの会員制度は、ポイント還元や優待制度と引き換えにOne to Oneのコミュニケーションを実現する手段でもある。航空会社のマイレージも同様である。さらにその延長として、個人会員向けの高級DMなど紙メディアが有効な場合も増えてきた。
CRMやMA(マーケティングオートメーション)とデジタル印刷の連携など、印刷会社においても重要な課題となりつつある。
マーケティングの進展とDM制作やデジタル印刷との連動についての知識を問う。
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これらの項目から新問題を出題する。項目によっては2つ以上の出題になる場合もある。
また、新出題に伴って従来問題の入れ替え、削除などを行い、従来問題についてもアップグレードを行う。結果的に、新出題項目を中心として全体の20%くらいの問題が入れ替わることになる。
(JAGAT CS部 千葉弘幸)